『鳥にでもなりたい』収録情報
「MAD HEAD LOVE/ポッピンアパシー」のカップリング曲
今回紹介する曲は米津玄師の『鳥にでもなりたい』という曲。
メジャー第2弾シングル「MAD HEAD LOVE/ポッピンアパシー」に収録されています。
残念ながらアルバムには収録されていないようですね。
一見普通のタイトルに見えますが、そこは個性あふれる米津玄師。
タイトルに少しひねりを加えています。
「鳥にでもなりたい」の「にでも」の意味とは?
「鳥」ではなく本当になりたいのは「他のモノ」
『鳥にでもなりたい』の主人公は女性です。
女性が恋人である男性に宛てたメッセージ。
それまで誰にも頼らず気丈に生きてきた彼女のもとに、「あなた」がやってきます。
「あなた」に恋した主人公。
月日が経ち、主人公の「恋」は「愛」へと変わります。
その「愛」を「あなた」に打ち明ける形式で、歌詞は進んでいきます。
それではここで、前述した、タイトルにひねりを加えている点について考察します。
この曲のタイトルを一般化すると「鳥になりたい」という形になると思います。
比喩の一種ですね。
指示対象は違いますが、「THE BOOM」の『風になりたい』。
「~になりたい」というタイトルで推測できる、一番有名な曲だと思います。
しかし、今回紹介する曲に米津玄師は『鳥にでもなりたい』と名付けました。
「鳥にでもなりたい」の「にでも」という言葉の意味が、非常に気になります。
「にでも」というのは「軽い感じ」で使う表現。
そして、本曲の主人公がなりたいのは「鳥」ではなく「何か別のモノ」なのではないでしょうか?
主人公が本当になりたいものは「彼のモノ」
「鳥にでも」という表現は「ウラハラ」な表現
仮に主人公が「鳥以外」の「別のモノ」になりたいとしたら?
それは「彼のモノ」。
言い換えれば彼にとって「大事な人」になりたいんです。
「大事な人」になれないのなら、生きている意味がない。
歌詞は後述しますが、主人公はそこまでの覚悟を持って「あなた」を愛しているんです。
では、タイトルの「鳥にでも」という所は軽く解釈すればいいのか、と思いますよね?
ところがそうではないんです。
「鳥」にも重要な意味が隠されています。
「あなたのモノ」になれないのなら「鳥にでもなったほうがマシ」。
タイトル表現している意味はこういう意味だと思います。
いわば、主人公が「あなたのモノ」になれなかった場合の代替え案が「鳥」なんです。
これが「熊」や「鰐(わに)」だったとしたら、少し状況がおかしくなってくると思います。
「鳥」が象徴するのは「自由」、「俯瞰(ふかん)」、「飛行」などです。
「鳥」は「自由の象徴」なんですね。
「あなたと結ばれなかったら私は、鳥のようにどこかへ飛んで行ってしまいたい」。
主人公はそう思って「鳥にでもなりたい」と言ったんです。
曲を聴いてみよう♪
『鳥にでもなりたい』の公式動画を「YouTube」で探しましたが見つかりませんでした。
その代わり、この曲を歌ったカラオケ動画がアップされていましたので、こちらに引用します。
男性ではなく女性が歌っていますが、曲の雰囲気はかなり掴んで歌ってらっしゃると思います!!
Aメロの不思議な感覚がクセになる!
いかがでしょうか?
3分未満の短い曲ですが、特徴ある歌だと思います。
Aメロのメロディーが不協和音的ですね~。
音が本来落ち着くべき所に落ち着いていない感覚。
少し違和感を感じます。
作曲者である米津玄師は、違和感を出したくてこのようなメロディーにしたのだと思いますが...。
そのAメロからBメロへ移ると、Bメロの爽やかなメロディーと相まって今までの違和感がすっ飛んでしまいます。
ここの転換が最高に気持ち良いですね~。
サビはシンプルですが、言い回しが速いため、カラオケや引き語りで歌うときにつまづきそうです。