【米津玄師/鳥にでもなりたい】歌詞解釈してその愛の行方を確かめてみたい…飛んでいく先に見えるものとはの画像

あなたが愛してくれないなら
あたしは生きてる意味なんてないわ
今更どこへもいけないなら
きれいな鳥にでもなりたいわ

出典: 鳥にでもなりたい/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師

冒頭から主人公の「あなた」へ向けた、ダイレクトなセリフが描かれます。

「あなた」が「愛してくれない」と主人公が思っているところから、この歌ははじまります。

衝撃的です。

「どこへも」という歌詞は、場所のことを意味しているのではありません。

「どこへもいけない」=「他の男性のところへいけない」という意味です。

これが最後の恋愛だといわんばかりに、主人公は「あなた」に夢中なんですね。

前述したように「鳥」は自由の象徴です。

「あなたの愛」以外は何もいらない。

主人公は「あなた」にそう告白します。

気張って生きてきた主人公(Bメロ)

【米津玄師/鳥にでもなりたい】歌詞解釈してその愛の行方を確かめてみたい…飛んでいく先に見えるものとはの画像

誰それ大げさに吐く嘘には
易々耳なんか貸さないんだから
誰彼すがらず生きてきたの
だけど今日は寂しいが募る日になって
悲しいで満ちる夜になって
甘え足りないの、あたしあなたのこと愛してる

出典: 鳥にでもなりたい/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師

主人公は深いトラウマを抱えているのでしょうか?

そして人間を信じなくなってしまった。

自分の周りに「バリア」をはったり「境界線」を引いたりして、人間を遠ざけてきた主人公。

本来は強情ではない性格なのに、何かが起こって強情になってしまったのでしょう。

誰彼(だれかれ)すがらず生きてきた」という所から、それが窺えます。

強情な心というのは諸刃の剣で、実は繊細な心を隠すためのモザイク

主人公の心を溶かしていったのは「あなた」。

そんな「あなた」に甘えたいと、素直になる主人公。

誰も氷解できなかった主人公の心を、「あなた」は溶かしてしまった。

主人公が「あなた」を好きになった理由。

ここの歌詞ではその理由が分かります。

キツツキのような「言葉」の連続(サビ)

【米津玄師/鳥にでもなりたい】歌詞解釈してその愛の行方を確かめてみたい…飛んでいく先に見えるものとはの画像

ねえねえねえ連れてって!連れてって連れてって!
あなたの生まれたあの街の中
あなたを育てたあの部屋の中

出典: 鳥にでもなりたい/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師

サビでは同じ言葉が繰り返し使われます。

ねえねえねえ」と「連れてって!」という2つの言葉です。

テンポよく連続的に歌われる2つの言葉。

まるでキツツキがくちばしで木に穴をあけているかのような速さです(笑)

もしかしたらタイトルの「鳥」は、こういった連想からきているのかもしれません(笑)

主人公は「あなた」のことを、まだあまり知らないようですね。

出会って付き合いはじめ、どのくらいの時間が経った状態なんでしょうか?

歌詞には描かれていないので、ここは推測するしかありませんね...。

思わせぶりな主人公(2番Aメロ)

ふと思いに耽る夜のこと
あたし気がついたことがあるの
けど誰もわからないだろうから
あたしの心に留めとくわ

出典: 鳥にでもなりたい/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師

物思いに耽る夜は、人間なら誰もが経験しているでしょう。

一日何もせず過ごした休日の夜や、眠れない夜などによく考え事をしてしまいますね。

主人公も例外ではありません。

気がついたことがあるの」と言う主人公。

これは言うまでもなく「あなた」との関係ですね。

そのあと、気がついたことを告白するのかと思いきや、違います(笑)

あたしの心に留めとく」らしいです。

これでは「気がついたこと」は主人公しか分からないですね...。

そんなに重要なことではないのかもしれません。

主人公自身も「別にこの場(歌詞)を借りてまで言うことじゃないな」と思っているのかもしれませんね。

こういった「含みを持たせた」表現が得意な米津玄師

言葉の表現方法にバリエーションがあって、歌詞を読むだけで面白いです!

主人公の「自我」が惹かれる「あなた」(2番Bメロ)

あなたが愛してくれないなら
あたしは生きてる意味なんてないわ
今更どこへもいけないならじゃあ
きれいな鳥にでもなりたいわ
きれいな鳥にでもなりたいわ
あたしはあたしでいたいの、だからあなたのこと愛してる

出典: 鳥にでもなりたい/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師

あたしはあたしでいたい」がために、主人公は「あなたを愛してる」と言う。

ここは解釈が難しいですね...。

主人公の自我が人一倍強いのか?

それとも「あなた」が主人公に与えた影響が強いのか?

「あたし」という人間を構築するのに「あなた」の要素が欲しいのか?

どうしても解釈が抽象的になってしまいますね...。

「あなた」を愛している「あたし」がそう望んでいるのか?

「強情だったあたし」がそう望んでいるのか?

いちようではない主人公の心。

いったいどの「あたし(主人公)」がそう望んでいるのでしょう?

もし主人公が「鳥」になり羽ばたいたら?(最後のサビ)