北海道は全地域が寒冷地帯ですから、函館市も雪が降り積もります。雪は札幌ほど多く積もりませんが、それでも2月の平均積雪量は43cmです。
そんな雪の景色はただ白く、生まれた街の静寂と懐かしさを思い出させてくれます。
あなたがそばにいたところは思わなかったのでしょうが、逢えない日、逢えない夜が増えるにつれて故郷の雪を思い出すのです。
逢いたいという気持ちが心臓の鼓動を強くし、まるで鐘の音のように響き渡ります。
振り返れば想い出の中には自分とあなたの足跡だけがありました。そしていつかあなたにこの白い雪の街を見せたいと思うのです。
想い出の中に残した2人の足跡をつける前の、真っ白な景色を2人で分かち合いたいのです。
滔々と白い雪は、無常なる人の世を
全て許すように降り続いて行く
出典: Winter,again/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO
白から連想されるもの。様々なイメージがわく色ですが、ここでは「打消し」の白だと考えられます。
もちろん否定的な意味ではありません。
嫌なことを消し去ってくれる。ネガティブなものを打ち消してくれる。
降り続ける雪がそれらの黒い感情の上に積み重なり、隠してくれるのでしょう。
「許す」と表現されていることからも、この打消しの意味が肯定的に捉えられているとわかります。
2位:誘惑
GLAYを代表する曲と言ってもいいでしょう。13枚目のシングル「誘惑」です。
1998年4月29日に発売されると、ミリオンセラーを達成、1998年度のオリコン年間シングルランキング1位を獲得します。
ギターテクニックが必要とされる曲ですが、ドラムの生音も強調されるため、全体的にレベルの高い曲と言われています。
ドラムから始まる曲であり、演奏のスタートは「TOSHI!!」、さらに「OK!カモンHISASI!!」のTERUの呼びかけでギターソロが始まるのが通例です。
時に愛は2人を試してる Because I love you
キワどい視線を振り切って WOW
嘘も真実も駆け引きさえも いらない
今はオマエが誘うままに Oh 溺れてみたい
出典: 誘惑/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO
誘惑されているのは自分です。だけその誘惑を振り切るように、愛は2人を試しています。それは「愛している」という理由以外にほかなりません。
それでも時には“オマエ”に誘われるままに、“オマエ”に溺れてみたいと思うのです。
名前も過去も心でさえも いらない
求め合う2つのカラダがある oh それだけでいい
出典: 誘惑/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO
TAKUROさんが描く恋愛はいつも美しく、純粋さが感じられるものでした。
しかしこの楽曲で描かれる愛はまるで正反対です。
相手のことを深く知りながら深めていく愛ではなく、直感に頼って探す愛。
そんな愛を求める人同士が、まさにタイトル通り互いを「誘惑」しているのでしょう。
相手の素性を知らなくても愛が生まれることはある。
カラダだけが結ばれる関係には愛なんてない、と感じる人も多いでしょう。
しかしそれもまた1つの恋愛の形なのかもしれません。
第1位はあの名曲!
1位:HOWEVER
GLAY12枚目のシングル「HOWEVER」は、1997年8月6日に発売されました。
自身初のミリオンセラーを記録し、その後シングル作品は5作連続でミリオンセラーを達成します。
ドラマ『略奪愛・アブない女』のEDに起用され、OP、劇中歌にもGLAYの楽曲が使用されました。
デモテープの時点では「暗い」と不評だった「HOWEVER」ですが、TAKUROさんは何とかシングルにするために奔走したそうです。
なお不評の理由は「デモテープはギター一本の弾き語りでゆっくり、キーをかなり下げて歌っていた」「自分に酔っているとしか思えない」ということです。
やわらかな風が吹く この場所で
今二人ゆっくりと歩き出す
出典: HOWEVER/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO
もう、この始まりがなければ「HOWEVER」ではありませんよね。
確かにほかの曲に比べると始まりはゆったりとした優しい印象ですし、TERUの優しい声に癒しさえ覚えます。
絶え間なく注ぐ愛の名を 永遠と呼ぶ事ができたなら
言葉では伝える事が どうしてもできなかった 愛しさの意味を知る
あなたを幸せにしたい…胸に宿る未来図を
悲しみの涙に濡らさぬ様 紡ぎ合い生きてる
出典: HOWEVER/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO