余命を宣告される前は、死ぬことをあまり意識していなかった主人公。

普通の人と同じように、80歳くらいまでは生きられるだろうと思っていました。

でも、病気にかかってしまい、自分がそのような未来を迎えることは不可能だと知ったのです。

澄まし顔の医者から余命宣告をされて、落ち込む主人公。

あまりにもあっさりとした余命宣告だったため、まだ実感が湧いていないようです。

「明日はずっとこない」と言われているので、主人公は明日死んでもおかしくない状態なのでしょう。

人生の終わり方を考え始める主人公

今日が最終回だとしたら
もう少しで終わりだとしたら
僕は今日何を食べるんだろう
誰と会えるんだろうな

出典: 君に世界/作詞:Eve 作曲:Eve

「今日が最終回(=今日で死ぬ)」かもしれないということを覚悟している主人公。

自分の命がもう持たないということを、徐々に実感してきているのでしょう。

もしそうだとしたら、どんなものを食べて、どんな人と会おうか考えていますね。

悔いが残らないような終わり方を考え始めているのが、少し切ないです。

しかし、現実逃避している間に命が尽きてしまい、あの世で後悔するのだけは避けたいのでしょうね。

主人公にとって大事な「君」

(※)君に世界は青く見えたかい
君に世界は赤く見えたかい
君の世界に色はあったかい
君の世界に僕は在ったかい(※)

声を詰まらせて 僕らは泣いた

出典: 君に世界/作詞:Eve 作曲:Eve

どんな人に会おうか考えた時に、主人公は「君」を思い浮かべたのでしょう。

それだけ主人公にとって「君」は大事な存在だということが分かります。

「君」が今までにどのような世界を見てきて、「君」は自分のことをどう思っているのか。

そのことを気にかけているのが分かります。

「僕らは泣いた」とあるので、死が目前だということに対して2人で一緒に泣いたのでしょう。

想像するだけで泣けてきますね。

2番~ラストの歌詞

子供の頃を思い出している…?

夕暮れ時の 懐かしい香りに
心が踊った 貴方がいたらもっと

出典: 君に世界/作詞:Eve 作曲:Eve

主人公は夕暮れの景色を見ながら、懐かしい気分に包まれています。

もしかしたら子供の頃に体験した懐かしい思い出に浸っていたのかもしれません。

下校時間になって夕暮れの道を帰る様子。

そして、家に帰ると美味しそうな夕飯の匂いがしている。

そんな遠い子供の頃を思い出しているのかな?と筆者は感じました。

ここでは「君」ではなく「貴方」という人が登場していますね。

主人公が子供の頃を回想していたのだとしたら「貴方」というのは親や兄弟のことを指しているのかも…!?

しかし、その家族にはもう会うことができないようですね。

「伸びた影」とは?

伸びた影は僕をそっと 美味しそうに飲み込んだ
抱きしめてずっと 考えてた 考えてた

出典: 君に世界/作詞:Eve 作曲:Eve

「伸びた影」というのは、主人公の病気のことを指しているのでしょう。

最初は小さい影(=病気)だったけど、徐々に伸びていき、主人公をすっぽりと飲み込むほど大きくなってしまったのです。

それでも主人公は投げやりにはなりませんでした。

病魔に飲み込まれながら、主人公は命が尽きる最後の最後まで「君」や家族のことなどを一生懸命考えていたのでしょう。

まだまだやりたいことがたくさんある

願うことから始めてごらん 傲慢なことではないんだから
今でなくなるのが悲しいから やらなかった事は溢れだして

出典: 君に世界/作詞:Eve 作曲:Eve

主人公には、やりたいこと(=願い)がまだまだたくさんあるのだと思います。

「やらなかった事」というのは、願っているけどまだ実現できていないことを指しているのでしょう。

まだ命が尽きたわけではないので、最後の最後までその願いが叶うように祈っているのかもしれません。

最後まで諦めずに全力で生き抜く主人公の姿は、とてもカッコイイですね…!

残される「君」のことを考えている主人公