さっそくミュージック・ビデオを観てみましょう!

斉藤和義さん本人が、ビルの屋上でカセットデッキへテープをセットし、録音しながら歌っています。

アコースティックギターをつま弾く音色がとても優しく感じられます。

テープを渡す相手に向けた音楽だからこその音色なのでしょう。

誰に向けての音楽なのか…それは、これから結婚をする女性です。

 ドラマ仕立てのミュージック・ビデオは、後半では様々な世代のカップルがカセットプレーヤーでこの曲を聴いています。

ひとりひとりがこの曲を聴いて浮かべる表情にも、ぐっとくるものがあります。

結婚情報誌『ゼクシィ』のCM用にサビのみ作成、その後CDリリースへ!

花嫁役の女性は…

この曲は当初、結婚情報誌『ゼクシィ』(リクルート)のCM用にサビ部分のみで作られたもので、CDリリース化される予定はなかった。しかしCMを見た視聴者からリクルート、所属事務所、レコード会社に多くの問い合わせがあり、CMコピーライターの一倉宏の書いた詩に斉藤がメロディを付け、急遽CD化されることになり発売された。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ウエディング・ソング_(斉藤和義の曲)

結婚情報誌『ゼクシィ』といえば、いまやブレイク寸前の若手女優・モデルが出演し話題となるCMです。

花嫁役の女性にスポットライトが当たるのはもちろん、実はCM曲も同じくらい注目を集めています!

キャッチコピーもしかり、です。

 斉藤和義さんの「ウエディング・ソング」はCMを見た視聴者からの声でCD化された作品でした。

このような経緯でのリリースは音楽家冥利に尽きる…といった感じなのでしょうか。

 「ウエディング・ソング」が起用されたゼクシィCMで花嫁役だった倉科カナさん。

先に紹介したミュージック・ビデオにも出演しています!

歌詞の意味を解説

さぁ、ここから歌詞の内容をじっくりとみていきましょう!

斉藤和義さんは、ほぼご自身で作詞作曲を行うアーティストです。

「ウエディング・ソング」は例外的に、コピーライター・作詞家の一倉宏さんとタッグを組んでいます。

大切なあの人へ贈る言葉

あぁ 君に贈る ことば探し
眠れなかった
あぁ 思い出より あたらしい日々
美しくあれ

出典: ウエディング・ソング/作詞:一倉宏 作曲:斉藤和義

曲の冒頭部分は、結婚をする人へはなむけの言葉を考えるけれど眠れない夜を過ごした、と始まります。

今まで過ごしてきた思い出よりも、これからの未来が美しく、素晴らしいものであってほしい。

相手の幸せを願っていることが分かります。

 結婚する人へ贈る言葉はいろいろとあると思います。

家族、友人、知人、過去の恋人、片想いで叶わぬ恋だった相手…

自分と相手との心の距離感によって選ぶ言葉も変わってくるのは当然かもしれません。

 眠れない夜の後に見つかった言葉は、どう読んでもありふれた言葉ではありません。

探して探して選び抜いたか、ふと思い浮かんだのか、シンプルながら重みのある言葉だと思います。

誰もが君のことを想っているから

ここにいる人々
ここにいない友達も
きっと 君の名前
呼んでるだろう
その胸に 灯すだろう

おめでとう それだけ
言えばあとは こみあげる
たとえば あざやかな
夜明けのように
ただ その風のように

出典: ウエディング・ソング/作詞:一倉宏 作曲:斉藤和義

歌詞の1行目から5行目の部分、結婚式に招待をされたことのある方ならば共感する方も多いのではないかと思います。

結婚式には参列できる人もいれば、諸事情で駆け付けられない人もいます。

その場にいようとそうでなかろうと、招待された人は晴れの日を迎える主役たちのことを想うのだと思います。

 伝えたいことはたくさんあるはずなのに、「おめでとう」と口にすると勝手にこみあげてくるものは何なのでしょう。

言葉、涙、しぐさ、佇まいといった、人それぞれ十人十色の表現が理性では制御できずに溢れ出てしまう。

それは例えるならば、人間の力が及ばない自然の風景や恵みのように壮大で、やはり美しいものではないでしょうか。

新しい日々への船出

あぁ 白い花が 揺れて笑う
とてもきれいだ
あぁ 出会う不思議 愛する不思議
扉をあけて

出典: ウエディング・ソング/作詞:一倉宏 作曲:斉藤和義