何回も繰り返し望んだ願い事

今日だけは、月があなたのために輝く

何回もお祈りしたよ 願い事
どうしたって叶わなくて 諦めてしまった
忘れやしないけど 思い出しもしない事
あなたのための月が見えるよ

出典: Flare/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

1番で朝を迎えた主人公は、2番では夜に身を潜めることになります。

ただでさえ暗く気分が沈みがちな夜に、何度も何度も願った事とは何なのでしょうか。

明るい明日を?

それとも、許されない罪が消えるように?

あるいは、帰ってこない仲間を想って……。

叶うわけがないと思いながらも、それでも祈らずにはいられないもどかしさが伝わります。

月はいつでも平等に人々を照らしています。

しかし今は、せめて今夜だけは、あの人の心を照らしてほしい……。

ここまで聞いて初めて、この歌は誰かに向けて書かれたものであることがわかります。

月のように優しく照らすから、どうか希望を捨てないでいてほしい。

そんな願いも込められているのです。

眠れない夜を超えて

昨夜 全然眠れないまま 耐えた事
かけらも覚えていないような顔で歩く
ショーウィンドウに映る よく知った顔を
一人にしないように 並んで歩く

出典: Flare/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

祈りすぎて夜が明けてしまったのでしょうか、寝不足のまま朝を迎えたであろう主人公。

しかし、そんなに一生懸命な夜を過ごしていることは、他人に気取られたくはありません。

あくまでも、遠くから祈るしかできない存在……。

もどかしく、でもこれ以上何もできないといういたたまれなさが心を打ち付けます。

悲しい思いばかり抱いていると、自分も1人になったような気がしてきてしまうもの。

自分は1人じゃない、と活を入れながら、また明日へと歩き出していきます。

壊れた心を抱えているのは誰?

かけがえのない「ひと粒」

BUMP OF CHICKEN【Flare】歌詞の意味を解説!小さな灯火とは?ひと粒の正体に迫るの画像

何か探していたの そして失くしてきたの
細く歌う小さな灯火

巨大な星のどこかで いくつの傷を抱えても
どんな落とし物しても 全部 塗り潰す朝
また目を覚ます 孤独の騒めき 落とさない ひと粒
壊れた心でも 悲しいのは 笑えるから

出典: Flare/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

眩しくて美しい、誰にでも平等に訪れる朝

そんな朝日は、嫌だったことや諦めたことを全て消し去ってくれる輝きを持っています。

そんな光を頼りに、人はまた重い腰を上げ、再び頑張り始めるのです。

「ひと粒」の小さな光が、集まって大きな希望になるように。

「ひと粒」の水滴が、集まって雄大な海になるように。

「1人」のちっぽけな人間が、集まって平和をもたらすように……。

BUMP OF CHICKENもまた、「ひと粒」の集まりでできているのです。

どんな時も灯火は消えない

どれほど弱くても 燃え続ける小さな灯火

出典: Flare/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

前に進み続けるための力は、希望を捨てない限り消えることはありません。

周りの人間が何と言おうと、どんなに厳しい道のりであろうと、それは変わらないのです。

大切なのは、自分の中の「灯火」を信じ続けること。

まだやれる力がある自分を、見捨ててはいけません。

最初はか弱く、消えてしまいそうな火だったとしても……。

空気を送り込んであげれば、火は大きく燃え上がるのです。

繰り返し登場する「灯火」の意味

英語で「Flare」、ポルトガル語で「Chama」