「メトロノーム」の歌詞の中で最も注目したのが「僕の中にはいつも」という部分だ。本来であれば「僕の中にはいつも君がいる」といった歌詞になるはずである。あえて君に関する言葉を入れなかった部分に彼の心情が感じられる。この部分の解釈はいくつか考えられるが、私は言葉に出来なかったのではないかと感じた。「僕」は別れてしまったことで自信を無くしてしまっている。だからこそ、決定的な一言を言葉にできずに飲み込んでしまったのではないだろうか。

3番 これからの人生

すれ違って背中合わせに歩いていく
次第に見えなくなっていく
これからも同じテンポで生き続けたら
地球の裏側でいつか
また会えるかな

出典: http://www.utamap.com/viewkasi.php?surl=k-151021-174

これからどんどん離れていく君と僕。その内振り返っても見えないほど遠くに行ってしまうのだろう。昔の関係でなくていい。もう一度どこかで巡り合いたい。
「僕」も、彼女がもう遠い存在であることは十分理解しているようだ。でも、どんな形でもいいから、彼女と出会いたいと思ってしまうのだろう。

あなたがいてほしいんだ

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最後のワンフレーズ。きっとこれが「僕」の隠しようのない気持ちなのでしょう。無理だと頭ではわかっていても、心ではどうしても彼女を想ってしまう。そんな祈りにも、懇願のようにも思える、男性の心の叫びが感じられる歌詞ですね。

メトロノームはとても正確にリズムを刻む、音楽には欠かせない物。しかし一度狂ってしまうと、自力では決して元のリズムには戻れない。人生も、一度狂ってしまうと元の日常には簡単に戻れない。そんな時、元のリズム【人生】に戻してくれるのは、周りの人、大切な人達です。歌詞の中の「僕」にも、そんな人が現れるといいですね。
忘れられない人がいる…。そんな、大事な誰かを想い続けている人にぜひ聞いてもらいたい一曲です。

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