ずっと自分のプライドを守ってきた主人公。
他人より自分が劣っていることを心の底で感じながらも、ずっと口にすることはありませんでした。
でもその羨む気持ちをある日とうとう口にしてしまいます。
それを口にしてしまったら、自分が自分ではなくなってしまう。
というより、他人を羨んだことすら後悔している。
後悔したとしても他人を羨んだことが消えるわけではありません。
そんなどうにもならないことを考えている、ふらふらした様子を「遊泳」と表しているのでしょう。
理想の内では思うように
波を切る事が出来たのに
凍てつく現状
出典: ジェンガ/作詞:京寺 作曲:眩暈SIREN
崩れ落ちたプライド
面倒だからしがみつくの辞めた
悲しむの怖いから
追い掛けるの辞めた
本当の望みを諦めが削ぎ落とす
自分と呼べるものは残っているか?
出典: ジェンガ/作詞:京寺 作曲:眩暈SIREN
守ってきたプライドが崩れ落ちてしまった主人公。
自分の理想にしがみつくこと、追いかけることは、もう面倒になってしまいました。
他人よりも劣っている自分には叶えられるはずがない。
諦めてしまった主人公に「自分の意志」は残っているのでしょうか?
自分を見失った主人公
肺一杯に水を吸い込む
浴槽で眠らす 孤独な海洋
貴方は誰でしょう?
水面(みなも)で一人
出典: ジェンガ/作詞:京寺 作曲:眩暈SIREN
理想と現実の狭間で溺れるようにもがく主人公。
海洋のように広がっていた自分の理想は、諦めという狭い浴槽に閉じ込めてしまいました。
そして主人公は自分が何者なのかもわからなくなってしまった様子。
理想を諦めたことで自分を失くしてしまうんです。
その理想こそが自分の意志だったのでしょう。
悔しい思いをしてこそ
剥がれてく自我を惜しむ
砂揺れて
泣くなら泡となって
消えるがいいさ
そこに残るモノが全てだ
残骸は、そこに確かに
確かにあった
貴方は貴方だ
出典: ジェンガ/作詞:京寺 作曲:眩暈SIREN
自分を失くすことを惜しむなら惜しめばいい。
悔しくて涙を流すなら、枯れるまで泣けばいい。
その後に見えてくる答えがきっとあるはずだから。
ここで歌われているのは、一度諦めて悔しい思いをすることも大事だということでしょう。
そういうことがあってこそ、その理想の大切さに気付けることだってあります。
本当の理想なら、また主人公は戻ってくるはずです。
どんなことがあろうとも、その人の根底の部分は変わらないのでしょう。
真っ黒い水の中に浮かんだ
貴方は誰で誰が貴方か?
掻き分けるも虚しく滑り落ちた
貴方と呼べるものとは?
脆くも歪むその境界線
一寸先すら見えぬ状態、依然
出典: ジェンガ/作詞:京寺 作曲:眩暈SIREN
理想を諦めて自分を見失ってしまった状態から這い上がることは容易ではありません。
ここでも、自分が何者なのかを追い求めてもがく主人公が描かれています。
まさに一寸先すら見えぬ状態。
それまでずっと追いかけてきた理想を失ってしまったときって、本当にどうしていいかわからないものなんです。
その苦しみが何よりの証拠
もがくだけ無駄かその答えは
手を伸ばすことにすら怯えた
水面に浮かぶ光よ
出典: ジェンガ/作詞:京寺 作曲:眩暈SIREN
どうしていいかわからない。
これはどういうことかと言うと、やはりその理想が自分にとって大切だったということ。
そう、主人公がもがいている先の水面に光は見えているんです。
自分にとって何が大切かということは自分が一番よくわかっているはず。
諦めたことによる苦しみがその証拠です。
答えは手を伸ばせば届く距離にあります。
わからない振りをしているのは自分なんです。