「チカ」について
今回紹介する「チカ」は3thアルバム「おいしいパスタがあると聞いて」の11番目に収録されています。
女性の名前のようなタイトルですね。
あいみょんの楽曲「◯◯ちゃん」のように実在する友人のエピソードかと思いきや、今回はそうではないようです。
ですが歌詞には「チカ」が繰り広げる恋愛ストーリーが描かれていました。
女性の恋模様と本音が詰まった歌詞に注目して解説していきたいと思います。
彼への一方的な不満が溢れている
追いかけてきてくれない彼
A.P.C.の黒い財布
なくしてしまって海へダイブ
嘘を見破ってよダーリン
現実逃避の小旅行
出典: チカ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
冒頭に登場するA.P.C.(アーペーセー)は、1987年に誕生したブランドで、中でも上質なレザーの財布が特に人気を集めています。
これはもしかしたら彼が彼女にプレゼントした財布なのかもしれません。
そんな大切な財布をチカはなくしてしまったのでしょう。
2行目の表現には、あえて詳しく言及せずに少ない情報のみで彼を翻弄する様子がうかがえます。
チカは彼を試しているのでしょう。
残念ながら彼はチカの嘘を理解することができませんでした。
男性と女性の脳は違うので察することは男性には難しいとよく言われています。
でも女性は言わなくてもわかってほしいと男性に理解を求めるのです。
どちらかが歩み寄らないとこの恋の行く末は別れ一択になってしまいます。
チカは歩み寄ろうとしない彼との現実にうんざりしてしまったのでしょう。
自分の気持ちに気付いてくれないならもう尽くせない
のぞいて心の奥の内部
たぶん汚れてるかもねだいぶ
嘘を見破ってよダーリン
このままじゃ私
きっとすぐ帰れない
あなたの為にもう尽くせないわ
笑って見過ごした
あなたのせいだわ
出典: チカ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
チカの心の中は説明できないモヤモヤした気持ちを抱えているのでしょう。
自分自身が心がクリアではないことを汚れに喩えて表現しています。
モヤモヤを解消するために嘘をついてみたものの、彼はチカが思うような反応をしてくれませんでした。
わがままともいえる一方的な気持ちですが、それに気が付かなかった彼に、チカは愛想を尽かしてしまします。
そして愛想を尽かして別れを決断させたのは、自分ではなく彼だと決めつけているのです。
なんでこんな簡単なこともわからないの?とチカが怒っているようにも感じます。
自分を理解してくれないのならば彼に尽くすことはもうできません。
乙女心の複雑さを痛感するフレーズです。
名残を惜しんでいるのはチカだけ
もしも 2人の最後が今日だとしたなら
あと少しほんの少しだけ
求めていて欲しかった、な。
出典: チカ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
一方的に別れを告げているチカ。
彼に対してこの別れの日をもっと大切にしてほしいと訴えています。
ですが彼は未練がないのか、いつものことなのか、全く特に気にもとめていません。
チカはそんな彼に対して名残惜しそうにしているのです。
おそらくここまでのチカの気持ちは心の声であり、何一つ彼には言葉で伝えていないのでしょう。
察してほしい女性の典型といえますね。
言葉にしていない以上、彼に伝わることはありません。
ここからも2人の気持ちが対極していることが伝わってきます。
自己嫌悪に陥りながらも彼を攻める
別れたことに対して言い訳している
退屈だこんなライフ
胸にしまいこんでいるナイフ
だから嫌われるのわかってる
知ってる レッテル 貼られてる
出典: チカ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん