「平日のブルース」は3rdアルバム「blues」に収録
シングル「わたがし」のカップリングが初出
「平日のブルース」は、2012年7月18日発売の6thシングル「わたがし」に収録。
その後、同年11月21日リリースの3rdアルバム「blues」に収録されました。
back numberらしいリズミカルなイントロで始まる曲調がキャッチーなので、メ~テレの「ドデスカ!」の番組テーマ曲に起用。
このアルバム「blues」では「平日のブルース」だけでなく、「青い春」「わたがし」「日曜日」「恋」がテレビドラマやバラエティのテーマ曲に使用されるといった人気ぶり。
これは、前年にメジャーデビューしたback numberが一般に広く認知されたことの証です。
20代の頃を振り返った青春ソングというジャンル
三十路のメンバーが堂々巡りを繰り返した20代を回想
back numberのメンバー3人はみな30代前半。
作詞作曲を手がけるボーカル&ギターの清水依与吏は今年の7月9日で34歳を迎えるといったように若く、オッサンと呼ばれるにはまだ早いです。
しかし、そうはいっても三十路に達している。
そのせいか、ようやく過ぎ越してきた自己の20代の青春観を歌にすることが多いようです。
率直に言うとback numberのナンバーには、大人になりきれずに右往左往する青春像を歌った曲が目立ちます。
例えば「青い春」や「聖者の行進」、「こぼれ落ちて」などがそうですが、その数は結構多く、それだけでひとジャンル作れそうなほど。
この曲「平日のブルース」もまさにその右往左往する青春ソングのひとつと考えていいでしょう。
今回、作者の清水依与吏がこの曲の中で行っているのは、堂々巡りのような自分探求です。
生活や社会の中の自分と向き合い続ける「僕」
浮遊する自意識、もがいた末につかみ取るものは何?
例によってイントロがいいですね。
その中でひときわ目立つのが、エレキの“ウィ~~ン”と高鳴る音色。
このスティールギターのようなセクシーな響きは、あのブルースの帝王B.B.キングを一瞬、想起させます。
もしかしてそれゆえにタイトルが「平日のブルース」なのかも。
同時にこのギターの響きは、ライ・クーダーのスライド・ギターを思い出させもたりもします。
これをみてもback numberはいろんなサウンドを模索しているんだな、という事が分かりますね。
ワンコーラスの歌詞をみていきましょう
流れゆく毎日の中で
僕自身の身の丈知りつつも
ここに自分らしさはあるのかと
いまだに問いかけ繰り返す
出典: 平日のブルース/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
読んで分かるとおり、例によってまたやっております、“自分探求”を。
「自分らしさはあるのかと」「いまだに問いかけ繰り返す」毎日というのは、きっと何気なくそれをやってしまっているんでしょうけど、存外に疲れるはずです。
そしてこれは割合、ヒマでないとできないことです。
自分探求をやってる、歌の人物は仕事に就いているのでしょうか?
真面目に働いているのでしょうか?
将来への希望や理想を思い描く、その先にあるもの
ぼんやりと日常をやり過ごす、モラトリアム野郎
ワンコーラスのBメロをみても、歌の人物が就業しているかどうかは分かりません。
誰かの望むような僕になりたいような
そうじゃないような
ただ自分の思うように生きていけたら
きっと楽なのに
出典: 平日のブルース/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
「きっと楽なのに」などと言っているところをみると、歌の人物=「僕」は好きな事をしてリア充を決めこみたいような、今風の若者に思えます。
さらにお気楽な「僕」の独白は続きます。