それは一言で言うなら「アイドルとしての価値」だと思います。
私たちはアイドルの可愛さ、キャラクターに惹かれてファンになります。
ですから仕草や性格、見た目が一つの価値となっているといえるのでしょう。
このことを考えると、いつまでもアイドルでいられるわけではありません。
永遠に綺麗な女性はいないし、いずれは卒業するときが来る。
厳密に言えばアイドルに「卒業」と言うかたちを生み出したのは秋元康さんですが。
しかし、いずれ卒業しなければいけない存在なのでしょう。
去るタイミング
きっと本人がわかる、「去るタイミング」が来るのでしょう。
「繋ぐ」とは、脚光を浴びる役を新しい世代に託すと言うことだと思います。
そして、その役は誰もが務めることはできない。
みんなが夢見る憧れの役。
それこそが守るべきものだと思うのです。
このアイドルという輝かしい素敵な役を後に託すよと言っているのだと思います。
切ない言葉のその真意
時々でいいの?
時々私を思い出してください
一緒に過ごしたあの日々
出典: 時々思い出してください/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
これを初めて聞いたとき、なんだか切ない気持ちを抱いた人も多いのではないでしょうか。
卒業とはただでさえ、悲しく寂しいもの。
当たり前だと思っていたグループの顔がいなくなるのです。
桜井玲香なしの「乃木坂工事中」なんて考えられない!
そう思ってる最中、「時々でいいから思い出して」と言われても、毎日思い出しちゃうよ!と思ってしまいます。
しかし、ここにも桜井玲香の卒業に対する姿勢が表れているのではないでしょうか。
4期生の影響もあって、きっと「自分の去るタイミング」を悟ったのでしょう。
ファンとしての使命
僕らはまだアイドルとしての桜井玲香を見たくても、彼女は卒業を選んだのです。
その真意は紛れもなく、次の世代に役を引き継ぐため。
華々しすぎるアイドルという職業と、ステージという場所を後に咲く花たちに譲るため。
だから、僕らは時々しか思い出しちゃいけないんです。
それがファンとしての使命です。
どんなに悲しくてもそっとしてあげなければならない。
それがファンとしての使命だと、この歌詞からも改めて認識することができますね。
ポンコツ桜井玲香の強さ
外に出てから歩く道
そのうちみんなも続くでしょう
出典: 時々思い出してください/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
桜井玲香さんはポンコツっぷりはファンの間ではお馴染みの光景です。
しかし、いつからかファンである我々はその彼女に安定感を感じるようになっていました。
映画「あさひなぐ」で桜井玲香が出演していたとき、とても板についたいい演技だったことを覚えています。
そんなポンコツながらもやるときはやる、キャプテン桜井玲香。
彼女だけでなく、アイドルはいずれ卒業します。
他のみんなもきっと卒業するんです、悲しいけれど。
だから地図にもなるように
私らしく頑張ります
出典: 時々思い出してください/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
私が背中で見せるから。
これからも、卒業しても陰ながらみんなのキャプテンでいるからといっているのではないでしょうか。
そこには彼女の強さが感じられます。
バナナマンの設楽さんに「バカぁ」といじられていた彼女はもう卒業する。
けれど、私が指針となってみせる
アイドルという青春を生きた
笑ったり泣いたり
振り向けば青春
もう何も後悔はない
今まで本当にありがとう
私の背中を押してください
出典: 時々思い出してください/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
この部分の歌詞はグッと寂しい感じがしてしまいます。
それはやはり最後の部分、「背中を押して」と頼まれているからでしょう。
この部分でこちらに押して欲しいと頼んでいる理由。
それは「少しばかりの不安」のせいだと思われます。
強い決断だったとはいえ、乃木坂46という青春を生きた桜井玲香。
キャプテンとして、苦しさや嬉しさを、時には涙と共に感じてきました。
グループを卒業するにあたり、歌詞の通り後悔はないのでしょう。
しかし、これから新しい世界へと羽ばたくにあたって怖さも感じているのではないでしょうか。
だからこそ、感謝の言葉と共に励ましの手を差し伸べてといっているのだと思います。