ずっと真夜中でいいのに。【グラスとラムレーズン】歌詞の意味を解釈！タイトルの意味は？寝ると練るに注目

倦怠期のようなふたりとはいえグラスでハーゲンダッツのラムレーズンをシェアします。

美しい夕暮れに手を繋ぐこともあるのです。

それはどこまでも平和な風景とはいえないかもしれません。

ふたりの間には軋轢のようなものがいつでも登場するのですから。

このふたりの年齢は明示されません。

ACAねは明示しないことも多いですし、明示することでリスナーを混乱させます。

しかし知識に浅さがあるというのですから若いふたりでしょう。

そもそも熟練カップルはハーゲンダッツのラムレーズンをシェアしません。

ハーゲンダッツアイスクリームは多少高価とはいえふたり分揃えることにさほどの負担はないのです。

若いふたりが夕暮れに仲睦まじく手を握っているのでしたらそれだけで美しい風景でしょう。

ふたりはやはり微妙な年齢のようです。

まだ大人とはいえないような年代であることがうかがえます。

大人の恋愛でしたら固い約束を誓い合えたはずです。

しかしまだそこまで達していないふたりは掴まるものさえ確かではありません。

青春期の恋愛はなかなか持続しないものです。

確かな約束をするほどの経済的・精神的自立を果たしていませんから若い恋には確証がないでしょう。

時間軸も空間も飛び越えてゆけるのであればふたりは自在です。

しかしそうした超越的な存在になれないのが人間の哀しいところでしょう。

ぶっ飛んだ歌の世界ですから何でも可能にしてもいいようなもの。

しかしACAねは超越的な存在には訴えません。

あくまでもグラスでハーゲンダッツのラムレーズンをシェアするような慎ましやかな世界観を維持します。

ふたりは微妙な年齢ですので過去で出会うことも願えます。

子どもの頃に出会っていたならばふたりの関係はどうなっていたのかを夢想するのです。

一方でやがてふたりがこの恋愛から卒業してしまう予感が歌われます。

大人でもない子どもでもない歳頃の恋愛は確証がありません。

互いの恋愛の仕方には行き当りばったりのイメージしかないのです。

子どもであったならば双方ともこうした恋愛に違和感を覚えずに済んだでしょう。

大人の恋ならばもう少しきちんとマナーに則った愛を交わせていたはずです。

ふたりの思考は時空間を超える夢を見ますが、現実を変えるものではありません。

この恋愛の別れというものはきっと日々の中で忘れてしまうような些細な想い出に変わりそうです。

ついにふたりの間に沈黙が訪れました。

こうした時間はふたりにとって棘になるだけなのでしょう。

お互いの間の距離だけを大切にするふたり。

その距離感がお互いに伝えることがあります。

終わりが迫っていることを何となく言葉もなく伝えてしまうのです。

どうしようもないふたりの不器用さは仇となって両者を引き裂いてゆくでしょう。

そうして関係が破綻してゆくのを眺めていることしかできないふたり。

お互いがもう少し大人だったならば手慣れた手付きで状況をケアできたでしょう。

ふたりがもう少し子どもであったならばお互いにもう少し率直さを見せられたはずです。

愛をハンドルしてゆくには不器用だった歳頃の恋愛が歌われています。

ACAねの歌詞は感覚に訴えるものですので「焦る」や「尖る」という言葉でこの状況を説明するのです。