彼女の家に寄生
好きな相手に依存する様子を宿木に例えた楽曲。
”宿木(やどりぎ)”とは他の木に寄生して生きる樹木です。
母体となる木があって、初めて生きることができます。
彼女の家に居候したり、泊まらせてもらうようなイメージ。
その自分と半寄生のやどりぎを重ね合わせたのでしょう。
孤独も嫌だけど、二人でいるときにケンカしてしまう。
相矛盾した感情をストレートに歌い上げています。
何事もバランスが大事です。
6.アンビバレント
好きなことに熱中する少年の心を描いたナンバー。
スカッとするメロディーで爽快感を与えてくれます。
紺碧の海を泳ぎたくなるような鬱屈した感情を爆発させるイメージです。
アップテンポな曲なのでドライブにもいいかもしれませんね。
7.楓
歌詞が乙
秋になると色づく楓のような乙女心を歌った一曲です。
ボーカルは男声ですが、歌詞は女性言葉。
日本語の妙です。
女性の気持ちを男性が歌うことで一種の幻想さを感じさせます。
テンポはアンダンテ、しっとりとした歌詞が印象的です。
過去を振り返るように恋をする様相を歌にしています。
8.ラストダンス
ストーリーに注視
ダンスをする男性と女性。
それを客観的に歌った楽曲です。
興味深いのは男性言葉と女性言葉が混在している歌詞。
「だけど私は まだ考えているわ」
これは袖にされた女性の視点での歌詞。
「舌が乾くまで話そうぜ」
こちらは相手を熱望する男性目線の歌詞。
一種のドラマのような歌詞構成になっています。
歌詞全体を通して、男性と女性の視点で書かれている点が斬新奇抜です。
9.僕らまだアンダーグラウンド
奇妙な生物によって破壊された東京を舞台にしたMV。
心の不安を怪獣による都市の破壊に喩えています。
空想の世界は現実に起こったことではなく、心に起きた問題。
思うようにいかない現実を見事に描き出しています。
「アンダーグラウンド」は”地下”というより”闇”のような意味。
闇市や非合法といった風合いが強い日本語です。
なお、英語の”underground”にも”地下組織の~、秘密の~”という意味があります。
発想が奇妙
少年と少女と怪物が主な登場人物のMV。
少年は自転車に乗って水たまりから異世界へ。
少女は家のお風呂から転落して異世界へ突入します。
どちらも”水”がトリガーとなっています。
少年と少女の欲望が生み出した怪物が破壊した世界。
そこで自由にふるまう少年と少女。
自由は得たけれども未熟で壁に落書きをするばかりです。
化け物に囲まれ、無為な日々を過ごす。
それが日常の世界と重なったのでしょう。
他人は化け物のように怖く、近づきがたいモノ。
都会にある不安や恐怖と戦っているのです。
また、やりたいことがあるけど、一人ではやり切れない…。
そんなもどかしい思春期を歌にした「アンダーグラウンド」。
MVや歌詞から多様な連想が可能です。
空想の世界と現実の世界を自由に行き来できたら、素晴らしいですね。