花の命は…
「瞬間の美しさ」と「崩れゆく美しさ」
現在、これを書いているのは6月の最初なのですけれど、この時期「花」を鑑賞するっていう事はちょっとひと休みですかね。
でも、もうすぐアジサイが梅雨空の元、咲き乱れるし、まだまだこれから先いろんな花を楽しむことができます。
そして、今年(平成30年)は桜の開花がいつもより早くかったのですけれど、それでもたくさんの人が花見に訪れたようです。
ところで桜の花って見ごろが1週間から10日くらいしかありませんよね。1年の内のほんのわずかな時期だけ、まさに瞬間の美しさ。
でも中には咲き乱れる花ではなくて、散る花の美しさ、すなわち崩れゆく美しさが良い、って人もたくさんいます。もっとも、これは日本人特有の感覚のようですけれど。
タイトルに「花」が付く歌
そんな美しくもはかない、「花」ですから、やっぱり愛でられて当然ですね。だからタイトルに「花」が付く歌もたくさんあります。
例えば中高生の時、合唱会で歌った「花」。沖縄から発せられて、今や全世界で愛されている「花」。いったい何曲あるのか調べましたけれど、もう分からないくらい。
あと具体的に、花の名前が付いた曲、例えば「ハナミズキ」や「ひまわり」とか、そりゃもう星の数ほどあるのでしょう。
たくさんの人に愛されて、歌にされて来た「花」。けれども一方で「綺麗な薔薇には棘(とげ)が在る」とか「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりし」そんな言われ方もされています。
SHISHAMOの「花」について
グン!と成長した演奏力♪
さて、長い前置きすみません。ではSHISHAMOの「花」についてご紹介しましょう。
この「花」は2015年3月にリリースされた、彼女たちの2ndアルバム「SHISHAMO2」の10トラック目に収録されています。非常にポップで、表情豊かな曲構成となっていて、何度聴いても飽きません❤
特に、その演奏力には目を見張る(いや、耳を肥やす、かな?)モノがありまして、以前より格段にスケールアップした、いえ、これもちょっとニュアンスが違いますね。
彼女たち流に言えば「より発育した」、練り上げられたギターパート、よりうねりを増したベースに、さらにパワフルになったドラム。とにかく明るく楽しいガレージPOPサウンドに仕上がっています。
そして相変わらず、歌詞はナイーブな女の子の心情をつむいだ、しんみり心に沁みるフレーズ満載です。
何故、意外にもこんな明るく…
そして基本は、飛び跳ねるようなちょっとモータウン風の縦ノリのリズム、歌のパートでは、ギターは曲の裏側で鳴ってるようです♪
だけどソロはとても粘っこく、そして何より、宮崎サンの淡々としてるようで、それでいてエモーショナルな歌が心にからみます。
でもすいません!実は、この曲については最初サウンドを聴いていなくて、歌詞だけ読んでいました。そうしたら、意外にもアッパーな曲調だったので僕はつい面食らってしまいました!
歌詞はとってもヘヴィな内容なのに。
どうしてそうなのか?これほどミスマッチなんだろうか?紐解いていきましょう。そうそう、ギターコードも一緒に。
花...あたしが持っていないもの
○○○○は「別れ」を持たらす花
おっと、イントロに合わせて初っぱなからスキャット(鼻うた風)で始まりました。♪tru-tru-tututu、tututututu...。
F G Em Am
君が二人の部屋からいなくなった
F G Em Am
理由はわかってる あの子のところへいったのね
F G Em Am
花屋で働くあの子はふわふわしてて
F G Dm G C A
まるで花のようにどこかへ飛んで行っちゃいそう
出典: 「花」作詞:宮崎朝子 作曲:宮崎朝子
のっけから、重いですね。「あの子」っていうくらいですから、彼女は相手がどういう人なのか、ご存知なのでしょう。
ひょっとしたら、会って話したことがあったりして...。花屋の店員さんですからねぇ。二人して部屋に飾る花でも買いに行ったとき、知り合ったとかだったら...嗚呼、運命を恨んでしまいます。
うん?でも、「ふわふわ」しててどこかへ飛んで行っちゃう花って、何の花なんでしょうね?
Dm G Am C7
いつでもそばにいるような女より
Dm E Am Gm7 C7
いつかどこかへ行っちゃうようなそんな女がいいんでしょう
Dm G Am C7
いつでもそばにいるような女より
Dm E Am Gm7 C7
いつかどこかへ行っちゃうようなそんな女がいいんでしょう
F
花のような女がいいのでしょう
出典: 「花」作詞:宮崎朝子 作曲:宮崎朝子