震える羽でタッチしたんだ
確かめたのさ ワンダーランド
出典: ワンダーランド/作詞:Ichiro Yamaguchi 作曲:Ichiro Yamaguchi
高い空を飛び、ようやく辿り着いた目的の地。
1行目からは今まで夢に見ていたその場所に辿り着いたことで生まれた緊張感が伝わってきます。
殻に閉じこもっていたところから新しい自分に生まれ変わりようやく目標に辿り着きました。
そこまでの道のりは決して容易ではなかったはずです。
滲み出ているのは、手に入れた理想を確かめるために触れずにはいられないという気持ち。
触れて理想の形を確かめているようです。
ここからは理想の音楽を追い求めやっと納得のいく楽曲ができたアーティストの姿も想像できます。
山口一郎が自身の体験を描いたと思えるようなドキュメンタリー性の高い歌詞です。
辿り着けないもの
悲しい声で泣いてみたんだ
夢から覚めた 蜃気楼
出典: ワンダーランド/作詞:Ichiro Yamaguchi 作曲:Ichiro Yamaguchi
前述のパートでやっと、目的の場所へと辿り着いた2人。
しかしここでは悲嘆に暮れた様子です。
手に入れたと思っていたものが、実際には手に入っていなかったということへの悲しみでしょう。
この楽曲で山口一郎が描きたかったのは、理想と現実の違いではないでしょうか。
この物語を音楽と山口一郎の関係に置き換えれば更に理解がしやすくなることでしょう。
アーティストというのはいつも自分にとって理想の音楽を追い求め、頭の中を具現化しようと頑張っています。
苦悩しながらもその理想に向かって手を伸ばそうとする。
しかし頭の中の音楽を形にするのはとても難しいことです。
それはまるで「蜃気楼」のように絶対に辿り着けないものだといいたいのかもしれません。
現実になったと思った次の瞬間に、それは古いものになっている。
アーティストは常に新しいものを追い求めるものです。
アーティストの全てがそうではないとしても、少なくとも山口一郎はそうなのでしょう。
だからこそ次の曲を作ろうという方向へと気持ちが向いていく。
どれだけ近づいてもいつの間にか遠くへといってしまう「ワンダーランド」。
素晴らしい場所を追い求めるというのは、そうしたある種の報われなさが付いて回る。
山口一郎はそういった想いをこの楽曲の歌詞に込めようとしたのではないでしょうか。
理想と現実の両方に板挟みにされながらもその先にあるものを模索している。
音楽を追求するアーティストの宿命ともいえる感情がこの楽曲からは伝わってくるのです。
まとめ
今回はサカナクションの「ワンダーランド」をご紹介しました。
全体の歌詞としては言葉少なながら、そこから広がるイメージの豊かさはサカナクションだからこそといえます。
歌詞の一字一句に拘る山口一郎のストイックさが伝わるような歌詞でした。
この記事の最後に、サカナクションの他の楽曲について考察した記事をご紹介します。
おすすめの記事となっていますので、この機会に是非ご覧になってみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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