QUEEN【Innuendo】歌詞を和訳＆意味解釈！何に挑戦し続ける？最期に伝えたい思いを紐解く

「ああ、そうだ、挑み続けてやるよ

最後の時まで

最後の最後まで」

もちろん、バンド全体としても、色々な壁に当たることが少なからずありました。

フレディの他のメンバーにも、それぞれに葛藤は多々あったはずです。

それでも「最後の時まで挑み続ける」と宣言する彼ら。

果たして、何に挑むというのでしょうか。

その答えは、誰かに語りかけるように歌われる、このフレーズにヒントがあります。

「君がなりたいと思うなら、何にでもなれる

なれると思った姿に、自分を変えればいいんだ

君のテンポで自由になれ、自由に、自由になるんだ

自我に身をまかせてー自由に、自分がしたいように」

「be free」=「自由になれ」というフレーズが、繰り返し繰り返し歌われます。

まるで誰かに語りかけるというよりは、自分自身に言い聞かせているかのように。

何から自由になるのか。

それは先のフレーズで挙がっていた“生まれ持ったもの”でしょう。

つまりはそれまでの自分自身です。

こうして繰り返し「君」へ訴えかけるフレーズは、とある曲を想起させます。

彼らのデビュー曲にして、一枚目のアルバムの一曲目、「Keep Yourself Alive」です。

「生きろよ、生きるんだ

みんなみんな、生き延びるんだ

時間と金をありったけ使って

大事な君よ、生き延びてくれ」

印象的なリフと早いテンポで刻まれるリズム、そして滑らかな早口で歌われるメロディー。

初期のバンドの前のめりな勢いが感じられる一曲です。

この曲でも彼らは「君」に対して「生きろ、生き延びろ」と繰り返し訴えていました。

けれどそれは同時に、まだ何者かになれていない若者が、自分自身に言い聞かせて奮起させているようにも聞こえます。

結果的に、オリジナルメンバーでの製作は最後となってしまった「Innuendo」。

彼ら自身も終わりを予期していたからこそ、デビュー曲のテーマに回帰したのでしょうか。

いえ、恐らくこれは回帰ではありません。

戻ったのではなく、彼らの（恐らく、無意識下の）根底におけるテーマは、ずっとこれであり続けたのです。

これとは何か。

自分自身の人生を生きることです。

「あー、もうちょっとビッグになったら

それが俺らのゴールなのかもしれない」

これも先程の「Keep Yourself Alive」の一節です。

そのフレーズの最後は、こんな言葉で締めくくられます。