目に見えるものに触れながら「こうすれば良くなる」「こうしてみたら?」と話すのは簡単です。
しかし彼女たちの目の前で「夢」は形になっていません。
目に見えないものを想像し、わずかに生じているズレを指摘されればムッとすることもあるでしょう。
でもそれを受け入れたら夢が少しずつ形をなしていくのではないでしょうか。
自分の間違いを受け入れて道を正していくことを、ここでは「強い」と表現しています。
彼女たちは、相手の意見を受け入れることで成長するのだ、ということに気付き始めているようです。
自慢の仲間がいる限り
仲間がいれば未来は明るい!
(たえ)キミを守った pride and dream
あの約束忘れない 二人は誓う
出典: B.O.F/作詞:中村航 作曲:DAIGO
「プライド」という言葉には様々な意味があります。
ネガティブなものであれば思い上がりや高慢などが挙げられますが、ここでは違いますね。
次の2つの意味が感じ取れます。
- 自尊心
- 誇り
前者は「キミ」自身が持っているものです。
自分という存在は唯一であり、自分にしかできないものがあるという自信に近いかもしれません。
そして後者ももちろん「キミ」自身が持っているものですが、対象は自分ではないのでしょう。
「キミ」が誇りに思っているのはメンバーたちです。
足を止めずに進んで来られたのは仲間の存在あってこそ。
このフレーズを歌うたえは前者の意味で歌っているのでしょう。
でも「キミ」である香澄は、後者の意味で受け取っているのだと推測できます。
マイナスをプラスに変える
(香澄)ただひとつの未来を切り開くよ
立ち止まらず そう 振り向かず
(香澄×たえ)Believe our future!
出典: B.O.F/作詞:中村航 作曲:DAIGO
巨大な壁をひとりで乗り越えるのは難しく、諍いごとも生じます。
しかし壁の向こうの光が見えた瞬間、喧嘩していたことなど忘れて皆抱き合って喜ぶのではないでしょうか。
ぶつかり合った過去は自分を支える礎になったと考え、前に進んでいくのです。
不可能を可能に変えられる
柔軟に考えて最高の未来を手に入れよう!
(香澄)太陽みたいな情熱が
手を焼く相棒と出会った
(たえ)大人はみんな 秩序守れと言うけれど
(香澄)この世界のルール 決めたのは誰なの?
出典: B.O.F/作詞:中村航 作曲:DAIGO
このフレーズもアニメの設定と重なりますし、「Poppin’Party」の馴れ初めにも重なりますね。
「Poppin’Party」のメンバーはなかなかの個性派揃い。リーダーの香澄が苦労するのも分かります。
一方で香澄自身は、情熱的で感情的なキャラクターです。
その関係性が歌詞で表現されていますね。
例えばリーダーの香澄はバンドの中で一番偉いのかといえば、そんなことはありません。
誰かが上でも下でもないのです。演奏がうまいから何もかも許される、ということだってありません。
「こうしなければいけない」を守り続けることで、前に進めなくなることがあります。
「こうしなければいけない」を破っても目の前に明るい光が待っているなら、進んでしまいましょう!
未来へ向かって戦え!
(たえ)キミが向かった final phase
この世界が仕組まれたものだとしても
(香澄)手に入れたい未来を切り開くよ
夢あつめて今 立ち上がる!
(香澄×たえ)Believe and fight!
出典: B.O.F/作詞:中村航 作曲:DAIGO
「SPACE」のオーディションに向けての過度な練習と、詩船が香澄自身の精神面での未熟さを指摘する上で口にした「あんたが一番できていなかった」という一言で、一時的に声が出なくなるスランプ状態に陥ってしまうが、メンバー全員で支え合って行くことを再確認し、改めて「SPACE」のオーディションを受けることを決意。その後はメンバーの支えもあり、再び歌えるようになる。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/BanG_Dream!
結果的には「合格」となり、ライブ出演を果たしました。
もしも裏で大人が何らかの操作をしていて、どう頑張っても不合格にしかならないとしたら…。
彼女たちはどうするのでしょうか。「香澄」は、どうするのでしょうか。
それでも香澄はオーディションを全力で受けたはずです。
その理由は、合格する未来やステージに立つ未来を信じているからにほかなりません。
ここで歌われる「夢」が指すのは個々の小さな希望ではないのでしょう。
おそらく香澄が集めるのは、メンバーひとりひとり。
どんなに不利な状況に置かれても、メンバーがひとつになれば前に進めるのだと歌っているのです。