ラジオ局の気象情報を担当していた人でしょうか。

最後の放送で警報を告げたのか、それともラジオ局に行ったときに「早く帰りなさい」と言われたのかは分かりません。

ラジオ電波は稀に雨の影響を受けることがあります。またAMラジオの場合は雷を事前に察知するのだとか。

雑音が入るからといって、雨や雷を避けることは誰にもできません。

途切れることがなかったラジオ放送が終わるのは誰のせいでもない、ということなのでしょうか。

ですから状況を変えたければ自ら行動を起こすしかないのです。

「YA YA」はこの曲にひとつの区切り線を引いたように感じます。

想いは通じていた

「内気なふたり」と表現するからには、お互いが想いを告げられなかったということです。

蜃気楼を信じ切ってしまえば良かったのに。そんなふうに感じるラストです。

どこかでラジオを聴いているかもしれない

ぼくは 迷うのでしょう
森の中を いったりきたり
いるはずのない 影をいつまでさがしてるんだろう
おかしいね

出典: Good Night Station/作詞:Kengo Kakudate 作曲:Kengo Kakudate

ラジオが終わり、ふたりを繋ぐものがなくなったようです。

結局「ぼく」は自ら行動を起こす勇気がないままだったのでしょう。

何も伝えられなかった自分の不甲斐なさは十分承知しているはずです。

「あのこ」との繋がりが途絶えたことも理解しています。それでも諦められないのでしょう。

ふたりでうたた寝した森をさまよい続けます。

同じ幻を見たことは現実

GOOD NIGHT STATION
今日はおやすみ
GOOD NIGHT STATION
内気なふたりは
GOOD BYE しても
GOOD NIGHT しても
10年後も 見ている

YA YA YA YA YA YA YA YA

出典: Good Night Station/作詞:Kengo Kakudate 作曲:Kengo Kakudate

「あのこ」は離れていってしまいましたが、相思相愛だったに違いありません。

お互いが一歩だけでも歩み寄れば、ふたりだけの電波で繋がれたのかもしれません。

だってふたりはひとつの幻を信じようとしたのですから。

ラジオを題材にしているのに「見ている」という言葉はしっくりきませんが、これは「幻」を指しているのでしょう。

例え離れても、ふたりの想いが生み出した蜃気楼を忘れない。

このような意味だと解釈しました。

繋がりは自らの手で掴むものだと教えてくれる『Good Night Station』

Yogee New Waves【Good Night Station】歌詞解説!祝福の雨はいつ降る?の画像

スローテンポでどこか気怠げにも感じる『Good Night Station』。

淡くて幸せな恋愛が描かれているのだろうと予想した方が少なくないでしょう。

しかし実際はラジオの終わり、恋の終わりが切なく描かれていました。

関係性が薄くなったら、ペンキで上塗りすればいい。繋げる電波が途絶えたら、自分が発信すればいい。

それを押し付けがましくなく、「そんな生き方もあるよね」というライトな感覚で教えてくれます。

雨で外出できないとき、誰かを想いながらラジオを聴きたい。

そんなふうに思わせてくれる『Good Night Station』でした。

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