主人公は「君」ともう一生会えない状態なのでしょうか。

「主人公の世界」というものが何なのかも気になります。

わざわざ「自分の」とつけるということは、現実の世界ではないのかもしれません。

主人公の心の中にある世界なのでしょうか。

その世界が終わるということは、を意味しているとも考えられます。

そして世界の終焉の際は、側で眠るのが主人公である「僕」の願いとなりました。

相手と一緒にいられる日を夢見ている内に、毎日がどんどん過ぎ去っていきます。

ただ漫然と日々を過ごしている様子がうかがえます。

「美しい世界」とはどんな世界?

タイトルにもなっている「Beautiful World」、すなわち「美しい世界」とはどんな世界なのでしょうか。

「美しい」といえば自然が広がっている・夜景がきれいなど、ビジュアル的に美しい光景を思い浮かべそうです。

しかしながら、歌詞を読んでいるとここでいう「美しい世界」はそういったものではありません。

では何かというと、実は宇多田さんがインタビューでこのことについて言及しています。

生きる、ってほんと耐え難いものじゃない?何かそれに耐えうる拠り所っていうか、これがあるから生きていようとか、これがあるから居られるなここに、みたいなものがあるから、「Beautiful World」と言えるっていう。どんな場所でも、誰か深く想える人がいるとか、存在してるとか、そういうことで、そこが居るに耐えうる場所になるんでしょ、って思って。

出典: https://www.evangelion.co.jp/1_0/news/det_10537.html

要するに主人公にとっての「美しい世界」とは、「君」がいる世界なのでしょう。

必ずしもこの世に物理的に存在している必要はありません。

主人公の心の中にいれば良いのです。

歌詞を読んでいると、主人公の中に相手の存在はかなり大きいことが分かります。

主人公はこの人がいるから現実逃避したくなる世界で生きていくことができるのです。

「大切な人が自分を支えてくれる世界って美しい」というのが「Beautiful World」の正体といえます。

「Beautiful World」が映し出す『ヱヴァンゲリヲン』の世界

宇多田ヒカル【Beautiful World】歌詞の意味を徹底解説!美しさと無垢な魅力を解き明かすの画像

「Beautiful World」は『ヱヴァンゲリヲン』を意識して制作された曲であることが公言されています。

歌詞は一見身近な日常を描いていますが、よく読むとこの作品を思わせる描写があるのです。

たとえば主人公もそうですね。

歌詞に登場する主人公は何でも曖昧な人でした。

これは『ヱヴァンゲリヲン』の主人公であるシンジにそっくりではないでしょうか。

もちろん、彼だけとは限りません。

この作品は寂しさを抱える登場人物がたくさんいるのですから。

特定の誰というわけではなく、皆この歌詞にあるような苦しさ美しさを持っているのでしょう。

では次に「君」は誰なのでしょうか。

宇多田さんのコメントから考えると、シンジの場合一緒にいたかったのは亡くなった母親のようです。

歌詞中に何度も登場した主人公の願いは、「母親の側にいたい・会いたい」ということになります。

ただ「Beautiful World」の歌詞は全体的に抽象的で、あまりはっきりとしていません。

このことから、必ずしもシンジだけのことについて歌っているともいえない歌詞です。

この曲は『ヱヴァンゲリヲン』という一つの作品全体で捉える方が分かりやすいかもしれません。

一人一人に存在する「Beautiful World」

宇多田ヒカル【Beautiful World】歌詞の意味を徹底解説!美しさと無垢な魅力を解き明かすの画像

「Beautiful World」の歌詞について解説しました。

「拠り所」によって生かされている世界を「美しい世界」と呼ぶのは、かなり独特でリアルです。

宇多田さんのセンスと実力を感じることができますね。

『ヱヴァンゲリヲン』の主題歌としてだけでなく、一つの楽曲としても十分楽しめる一曲です。

宇多田ヒカル「Beautiful World」は、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の主題歌として今もなお歌い継がれている伝説的アニソンです。その歌詞の世界を主役:碇シンジにシンクロしながら読み解きました。当時のシングルランキングもご紹介します。

「Beautiful World」を解説する記事はこちらもあります。

この記事とはまた違う、シンジを中心にした歌詞解説もあるので是非読み比べてみてくださいね。

宇多田ヒカル「桜流し」がエヴァの劇場版の主題歌に決定いたしました。そこで、今回は宇多田ヒカル「桜流し」の歌詞に込められた想いとこの映画の見所等についてご紹介していきたいと思います。

宇多田さんが手掛ける『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の主題歌は他にもあります。

3作目の主題歌になった「桜流し」は、「Beautiful World」同様話題になりました。

こちらもどんな世代のリスナーも共感しやすい歌詞になっています。

この曲が『ヱヴァンゲリヲン』とどう関わってくるのか注目してみてください。

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