代名詞のひとつ
クイーンといえば、何?
そう問われてこの曲を挙げる方も多いのではないでしょうか。
今回取り上げた「I Was Born To Love You」、和題「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」は日本での人気が高い一曲です。
時代を超えて数々のCMに起用されてきたため、耳にしたことのある方も多いでしょう。
木村拓哉さん主演のドラマ「プライド」の主題歌にもなりました。
フレディ・マーキュリーの情熱的でストレートな歌唱が印象深い曲です。
元々はソロの曲
この曲は当初、1985年にフレディがソロでリリースしたアルバム「Mr.bad guy」に収録されていました。
彼の死後、残されたクイーンのメンバー3人は「Made in heaven」というアルバムを制作します。
その際にこの曲も収録されました。
ソロ版の演奏は打ち込みの音が主体でした。
しかしクイーン版ではメンバー3人が演奏し、よりロックな仕上がりになっています。
そして歌詞は原曲とほぼ同じですが、最後の方にフレーズが追加されています。
これは元々あった他の曲のフレディの歌唱を抜き出して足したものです。
今回はこちらのバージョンを和訳していきましょう。
強い愛の叫び
君のために生まれた
I was born to love you
With every single beat of my heart
Yes, I was born to take care of you
Every single day of my life
出典: I Was Born To Love You/作詞:Freddie Mercury 作曲:Freddie Mercury
「僕は君を愛するために生まれた
心臓が動くたびそう思うんだ
僕は君を大切にするため生まれた
来る日も来る日もそう思ってるんだ」
聴くだけで胸がドキドキするようなサビ。
このフレーズは曲の最初から情熱的に歌いあげられます。
そして演奏をはさみもう一度、語りかけられるように歌われるのです。
このストレートなメッセージは、曲の終わりまで「君」に向けて伝え続けられます。
「僕」は相手のことを深く愛しているということが伝わってきますね。
愛する「君」に向けて
You are the one for me
I am the man for you
You were made for me
You're my ecstasy
If I was given every opportunity
I'd kill for your love
出典: I Was Born To Love You/作詞:Freddie Mercury 作曲:Freddie Mercury
「君は僕にとってただ1人の人
僕も君にとってただ1人だ
君は僕にぴったりくる
僕は君のとりこなんだ
僕はきっとどんなチャンスも投げ出すよ
君への愛のためならね」
「You are my ecstasy」は読んで字の如く「君は僕のエクスタシー」ともとれます。
ただ、敢えて「夢中になっている」様子として解釈してみました。
最後のフレーズは「何を犠牲にしても君を守る!」というようなニュアンスでしょうか。
とにかく「僕」は「君」なことが大好きなようです。
最初のフレーズからも伝わってきましたが、畳み掛けている感じがしますね。
それだけじゃ伝えきれない!という熱い思いからでしょうか。
君からの答えは?
この後も「君」に向けての愛の叫びは続きます。
しかし曲の最後まで、「君」がそれに対してどう答えたのかは全く描かれていません。
「君」についての描写も、上記のフレーズ程度です。
通常のラブソングなら、もう少し相手の反応などが描かれているものでしょう。
けれど敢えて主人公のモノローグだけにしているところが、この曲の真髄とも言えます。
君は僕の夢
とらわれていたのは良い夢?
I'm caught in a dream
And my dream's come true
It's so hard to believe
This is happening to me
出典: I Was Born To Love You/作詞:Freddie Mercury 作曲:Freddie Mercury