「僕は夢にとらわれていた

そしてその夢は現実になったんだ

信じられないよ

こんなことが僕に起こるなんて」

「be caught in〜」は「挟まれる」や「巻き込まれる」という意味です。

どちらかというとあまり良くない目に遭うイメージでしょうか。

しかしここで出てくる「夢」は眠っている時に見るそれを指しているわけではなさそうです。

どちらかというと、こうだったらいいのに…という理想に近いものでしょうか。

そうやって夢想することは、普通なら楽しいものでしょう。

しかしどうしてそんな表現が使われているのでしょうか。

夢が夢のままならば

その疑問を解くカギは「So hard to believe」というフレーズです。

「hard to do」は「◯◯することが難しい」という意味です。

さらに、意味を強調する「So」がついています。

「僕」はよほど今の状況が信じられないのでしょう。

つまり、思い描いていた夢が現実になるとは思っていなかったのです。

だからこそ自分の夢にとらわれることを肯定的にはとれなかった。

現実になるはずのない夢を見続けるというのはつらいものだったのです。

けれど、それは現実となって訪れた

その喜びは「Amazing feeling」つまり「素晴らしい気持ちだ」という一節にも込められているようです。

僕の見ていた夢

曲の持つ強い力

さて、彼が今まで見ていた夢というのは何だったのでしょう。

答えは簡単「君と出会ったこと」です。

そっくりそのまま歌詞に書いてあることですね。

そしてそれは古今東西のラブソングで歌われていることのようにも思えます。

しかしこの曲はどうしてこれだけ長くたくさんの人に愛されるのか。

それはきっとこの曲が、愛することの幸せを歌っているからでしょう。

片想い?両想い?

「love」は「愛」「愛する」という意味です。

愛という言葉は恋愛に限らず、敬愛、友愛、親愛などの意味があります。

幅広い対象の「相手を思う気持ち」という意味で使われますね。

この曲では「ecstasy」「romance」という単語が使われています。

なので恐らく使われている「love」は「恋愛」ととって良いでしょう。

先述した通り「君」つまり恋のお相手についての描写はありません。

この曲は「僕」がとにかく「君」への愛を叫んでいる歌です。

つまり主人公の恋が成就しているのかどうかはわからないのです。

あれ?でもさっき、夢が現実になったというフレーズがありましたね。

ということは、両想いになっているのではないの?と思うでしょうか。

愛することができる幸せ

主人公がとても現実にはならないだろうと思っていた「夢」。

それは、好きな相手と両想いになることではありません。

深く愛することができる相手と出会ったこと、それ自体なのです。

自分に訪れた全てのチャンスと引き換えにしてもいい。

この人を愛するため、大切にするために自分の存在がある。

そう思えることこそが「夢」だったのです。

もちろん、それが成就すればこれほど幸せなことはないでしょう。

けれどその前にまず、自らの愛を全て注げる対象ができたこと。

その喜びを叫んでいるのです。

探し求めていたものは

愛せる人がいたらいいのに

QUEEN【I Was Born To Love You】歌詞を和訳&意味解釈!伝えたい愛の深さとはの画像

映画「ボヘミアン・ラプソディ」の冒頭では「Somebody to love」という曲が流れます。

ゴスペルのような合唱が美しいこの曲の歌詞には、こんなことが書かれていました。

Can anybody find me somebody to love?

出典: Somebody To Love/作詞:Freddie Mercury 作曲:Freddie Mercury

「誰か僕に、愛すべき人を見つけてくれないか?」

そして中盤にはこんな一節もあります。

Got no feel, I got no rhythm
I just keep losing my beat

出典: Somebody To Love/作詞:Freddie Mercury 作曲:Freddie Mercury