「DEKI☆NAI」は誰のことを歌っている?
今回は、眉村ちあきが自身を描写しているような楽曲と語る「DEKI☆NAI」をご紹介いたします。
いつものごとく、変に肩肘張ったキャッチーな歌詞はあまりありません。
あえて多用しなかった、眉村ちあき。
想像好きの彼女は、とあるインタビューで「いい感じ!」の作品だと語っていました。
どちらかというと、ど素ッピンの「眉村ちあき」らしい楽曲に仕上がっているのです。
アルバム『劇団オギャリズム』の1曲目に収録!
「DEKI☆NAI」は、2020年1月にリリースされた2ndアルバム『劇団オギャリズム』に収録されています。
「まゆむらー」と称されるファン。
愛される彼女の流布は、ファンのみならず行き渡るのです。
「初・眉村ちあき」にも迷いなく受け入れられ、共感しつつ聴いていただける楽曲でしょう。
とにかく奇をてらうことなく、アルバムの1曲目にセレクトしただけのことはあるのです。
「DEKI☆NAI』なぜできない?余すところなく解釈します!
みんなに聴いてほしい
弊害s どこに行く時でも
たどり着くまでの間に
どれほどの電車を間違えるの
雷火 人生 もともと踊るだけ
でいいって聞いてたんだが
それ以外にすべきことがあるらしい
出典: DEKI☆NAI/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき
ネガティブな感情を匂わす、「弊害s」。
キャッチーなワードから展開していきます。
眉村ちあきいわく、「Hey Guys」とかけているそうです。
一見、飛んでいるようにも感じられるイントロ。
いつもの彼女が得意とする、ファンのド肝を抜こうとしてチョイスしたワードではありません。
世の中思い通りにいかないことだらけだと、皆に呼びかけているのです。
目的地に到着するまでの、様々な困難を訴えかけているのでしょう。
ただの方向音痴を謳っているわけではありません。
日々生活する中で、生き方の難しさを電車の複雑な乗換えとなぞらえているのです。
1人では乗り越えられないような問題が起きたとしても、ただ避けて通ればいい。
大人になるにつれ、そういうわけにはいかないという心情を描写しています。
生きるって...なに?
「生きるって、そんなに難しいことだったの?」。
そう考えて今日まで生きてきたはずなのに、最近違和感を憶えるのです。
やはり生きていくこととは、並み大抵ではないといっているのでしょう。
楽して生きていきたい、と語っているのではありません。
その都度自分がしたい事をしたい時に叶えるのは、意外に容易ではないのです。
人は1人で生きていくことなど、不可能だといっています。
完璧に生きてきたつもりでも、実はそれそのものが間違っていたのではないか?
あるべき姿を追い求めはじめる、主人公です。
本当は大人になんてなりたくない...
いつの間にか大人になった...
踊っちゃいられないよ
踊っちゃいられないよ
歌っちゃいられないよ
歌っちゃいられないよ
それは困っちゃうんだけども
困っちゃうんだけども
これっぽっち以外全部かわいそうだね
出典: DEKI☆NAI/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき
どうしていいか分からず、おろおろする主人公。
したい事ができない...。
かといって、それだけではダメだといっています。
うまくも生きれないといっているのでしょう。
どうしようもならない葛藤が、繰り返される4行の歌詞から溢れだしています。
大人へと成長せざるを得ない、切実な気持ちを投げかけているのです。
でもふと周りを見渡すと、自身の訴えなど些細なことにすぎないと気づきます。
なんだ...こんなことにも気がつかなかったのだと、自分に言い聞かせているようです。