2020年をもって結成20周年を迎えるHYですが、これまでのシングルリリースはなんと1枚のみ。
それ以外はすべてアルバムという日本では珍しいスタイルを確立しているバンドです。
「ホワイトビーチ」は、彼らの記念すべき1stアルバム「Departure」のトップバッターとして世に出ました。
当初、沖縄限定でリリースされた「Departure」。あっという間に1万枚を完売し全国発売になった伝説のアルバムです。
同アルバムを手に取り、「ホワイトビーチ」を聴いてHYのファンになったという人も多いみたいですね。
実は冬の歌?!
「夏になると聴きたくなる!」というファンも多いようですが、「ホワイトビーチ」は厳密には夏ソングではありません。
歌詞の中にちらほらと冬を感じさせるワードが入っています。ほら、歌い終わりにも。
温もり感じる君のジャケット
キスを交わす 日本全土が嫉妬
そっと包む 明かりがずっと
今日も日が暮れる 時間よリセット
出典: ホワイトビーチ/作詞:TUN・HIDEYUKI SHINZATO・IZU 作曲:HIDEYUKI SHINZATO・IZU
しかしながら、冬の冷たさや人恋しさが伝わる曲ではないですね。むしろ真逆。初夏の爽やかな風さえ感じさせてくれます。
夏に流れてきても何の違和感もなく、野外フェスにもぴったり。
ライブでは観客全員で歌ったり、ラストの曲として使用されることが多いようです。
コカ・コーラCMソングとしても話題に
2005年には、コカ・コーラのキャンペーンソングに起用された「ホワイトビーチ」。
ゆえに、サビを聴けばなんとなく口ずさめる知名度の高い曲と言えます。
ちなみにこのキャンペーンの季節は春。もはやこの曲に季節は関係ないのでしょうね。
”天使”って何を指してるの?
空から 舞い降りてきた天使は
優しく透明な声で 光も届かない場所から
僕を広い大空へ 連れて行ってくれた
不安や 悲しみもない場所へ 白い光の中で
出典: ホワイトビーチ/作詞:TUN・HIDEYUKI SHINZATO・IZU 作曲:HIDEYUKI SHINZATO・IZU
風を集めて飛び上ろう
広い空に手をのばそう
静まりかえった大地は
白い天使が舞い降りる
出典: ホワイトビーチ/作詞:TUN・HIDEYUKI SHINZATO・IZU 作曲:HIDEYUKI SHINZATO・IZU
曲中に何度も出てくる”天使”の存在。単純に天使のキャラクターというわけではなさそうです。
が、それが一体何を表しているのか。結論から言いますと、わかりません!
いろいろと調べてみましたが、こればかりは謎のまま……。公式インタビューなども見つけることができませんでした。
ここでは筆者なりに3つの仮説をご紹介します!
やっぱり”大切な人”でしょ説
歌の中に見え隠れする”君”と”僕”。2人はきっと恋人ですね。
そんな2人のストーリーはどこか回想のようにも聞こえます。
遠くに行ってしまった大切な”君”。そして”君”を想って1人静かなビーチに佇む”僕”。
寂しさで押しつぶされそうになっていたその時、天使になった”君”があたたかい光で包んでくれた。
その白い光の中で”僕”は大切な人との思い出を巡る。そして願ったのではないでしょうか。「時間よリセット」と。
まさかの”雪”説
沖縄が舞台の歌に「雪?!」と疑問に感じた方もいると思います。
それもそのはず。沖縄の冬の平均気温は17〜18度ととても暖かいです。さすが南国。
実際に沖縄気象台で雪が観測されたのは、1977年と2016年のたった2回だけ。
ところが、沖縄にはこんな逸話があります。
それは「1999年12月のクリスマスを間近に迎えた日に、雪が降ってきた」というもの。
当時「クリスマスの奇跡」として大変な話題となり、NHK番組「おはよう日本」でも取り上げられました。
沖縄気象台は否定していますが、同時刻に多くの目撃情報があることから今でも都市伝説のように語られています。
「ホワイトビーチ」が収録されたミニアルバムが発売されたのは2001年。
メンバーの誰かがその奇跡に遭遇したのなら、曲に影響してもおかしくないと思いませんか?
生まれて初めて見た雪かもしれないものを”天使”と例えたのなら、ステキな話ですね。