ふと垣間見える自然体

三代目J SOUL BROTHERSは2021年6月16日【100 SEASONS】をリリースしました。

グループ発足から10年を経てリリースされた本作は、かけがえのない日常を歌った落ち着きあるサウンドに。

デビューから常に全力で駆け抜けてきた彼らのふと見せた自然体が醸し出す余裕を感じさせる1曲です。

これから彼らが更なる成熟を見せていくのが楽しみになるこの曲の、歌詞の意味を探っていきたいと思います。

共に歩む

君と歩いてく…Oh yeah

出典: 100 SEASONS/作詞:YVES&ADAMS 作曲:SKY BEATZ/J FAITH/RICO GREENE

さて冒頭ですが、「君」と歩いていくことを語り、曲は幕を開けます。

語調としては意志的ではない、それが当然のこととして捉えているような雰囲気です。

ここでの「君」とは誰を指すのか、まず真っ先に浮かぶのは恋人のような存在でしょうか。

ここではまず恋人と仮定しますが、詳しくは物語を読み進めながら追って探っていくとしましょう。

隣には君がいて

ご機嫌な朝

あともう少しだけ 夢の中にいたいような Morning
寝落ちした Weekend ソファの裏でアラームが Calling
降り続いた雨も上がり動き出した世界に
君からのメッセージ 指先で小さく贈るハート

出典: 100 SEASONS/作詞:YVES&ADAMS 作曲:SKY BEATZ/J FAITH/RICO GREENE

場面はまだ眠っていたい夢うつつの朝。

どうやら彼はソファで不覚にも寝落ちしてしまったようでした。

スマホも意識を失い知らぬ間に手から離れて落としてしまっていました。

しばらく雨が続いていたのでしょうか。

それもようやく上がり夜も明けて、しばし休止していたような世の中も活気づき始める週末の朝。

そんな朝の知らせが彼女のメッセージだったのです。

出足は好調、ハートを贈ってご機嫌な彼の1日は始まるのでした。

会えない日には

待ち合わせた明日までは遠いけど
愛しさ募らせて会えるから

出典: 100 SEASONS/作詞:YVES&ADAMS 作曲:SKY BEATZ/J FAITH/RICO GREENE

どうやら彼女との約束の日は明日で、もう1日待たなきゃいけないけないようです。

ですが待ち遠しい分愛しい気持ちが湧いてきて溢れんばかりです。

ならばこの1日は彼女への想いを存分に募らせる日にしてしまいましょう!

話は変わりますがこの時期はコロナが猛威を振るい、中止になったライブもありました。

転じて待ち合わせたはずのライブはお預けになっちゃったけど、その間会いたい気持ちを募らせればいい。

そんなファンに向けたメッセージにも思えてきます。

100の季節を越えて

ありふれた Sunday,Monday…
Ordinary days 晴れ渡っていく
君と並んで Birthday Summer holidays どんな季節も
そばにいて心に触れていたいから
君と笑って泣いて過ごす Everyday 掛けがえない
100 SEASONS
この手を離さないで
君と歩いてく
100 SEASONS

出典: 100 SEASONS/作詞:YVES&ADAMS 作曲:SKY BEATZ/J FAITH/RICO GREENE

約束の日曜も、会えない月曜も…。

ありきたりな、そして大切な日常は続いていきます。

“Ordinary”は「普通の」という意味。

そんな普通の日々も君がいるからこそ晴れ渡った景色に見えてくるのでしょう。

季節は巡り、誕生日であったり夏休みといったイベントもやって来ます。

ですが季節を彩るどんなイベントも君の隣にいたい。

そして心に寄り添っていけたらいいなと望んでいるのですね。

これからも君と笑ったり泣いたり、苦楽を共にしていけたらいい。

巡りゆく100の季節の間も互いの手を取り合い、共に歩いていくのだろう。

季節を100越えるとするならばそれは25年もの歳月を共に過ごしていくことになります。

25年ともなると、その間様々なことが起こるのでしょう。

きっとその頃は家族になっていて、子供もいたりするのかな?

子を育て、仕事に励み、それなりに出世もしていたりするのかもしれない。

家族でレジャーや旅行も楽しみたいし、写真やビデオも撮って思い出を残そう。

また時には病に倒れることもあるかもしれない。

そして2人は随分年を取ってしまっているのだろうな。

そうして100の季節を共に過ごすことまで考えるなら、ちょっとした覚悟が必要ではないでしょうか?

冒頭での「歩いてく」という語りは当然の展望を思わせます。

しかし100の季節を共に歩もうと告げる彼の言葉には僅かな決意も感じさせるのでした。