A.S.A.P. 今すぐにすぐに聞かせて
A.S.A.P. もっと遠くに遠くに飛ばして
抜き打ちで君の愛 試します
Can I believe you tonight?

出典: A.S.A.P./作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル

機械が発達した今であれば、連絡を取る手段は様々です。

2000年代前半の当時はスマホやSNSは普及していません。

メインとなった伝達手段はEメールや電話といったものでした。

Eメールであれば、受信してから返信するまでの時間を意図的に操作できます。

緊急案件であれば即レスすることも多いでしょう。

しかし一般的には自分の好きなタイミングで、文章を打ち込んで送るのではないでしょうか。

つまり試行錯誤する時間が十分にとれるということですね。

これだと本心が誤魔化されてしまい、ありのままを確かめられない…。

そう思った彼女は電話という手段を取ります。

限られた時間の中、その場で受け答えをしないといけない電話。

不意打ちで露わになった「彼」の一言一句を聴きたいのでしょう。

声色や選ぶ言葉、「間」の取り方などで、何となく相手の様子がみえてきそうですね。

この歌詞の4行目の英語は「彼」を試すために発した言葉でしょうか。

直訳すると「私、今夜はあなたを信じていいのかな?」となります。

その真意は「今夜はあなたに愛してほしい」といったところかもしれません。

恋の駆け引き

A.S.A.P. 秘密の呪文を唱えて
A.S.A.P. 私の扉を叩いて
舞台が始まる前にここに来て
Take it or leave it tonight

出典: A.S.A.P./作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル

この歌詞からは「私」の心の準備はとっくにでき上がっているということが推測できます。

しかし女性はやっぱり男性に引っ張っていってもらいたいものでしょう。

ここまで「彼」を押して、押して、押しまくったところで、最後に「引き」を入れる。

駆け引きを楽しむように「今夜どうする?あなたが決めてよ。」というような英語で締めくくります。

好きな女性にこんなことをされたら、男性側としてはもうメロメロでしょう。

1番の歌詞だけを読み解いていくと、女性側の完全勝利に思えますね。

「A.S.A.P.」の歌詞を独自解説!~2番~

さて、ここからは2番の歌詞の解説を始めてまいります。

これまでの女性有利の流れからは想像ができない展開を迎えていくことに…。

焦りは化けの皮をはがす

捕まえて欲しいのに逃げ回るし
自分を罠にはめるのが得意
時にはそれが魅力的なのさ
今日だけはかけひき忘れてベルを鳴らすよ

出典: A.S.A.P./作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル

さて、どうやら女性の思うようにはいっていないようです。

電話にも出てくれず、Eメールでも焦らされているような距離を保たれているのでしょうか。

作戦がうまくいかない上に何だか不安な気持ちもこみ上げてくる…。

気づけばいつも「彼」のことを考えてしまいます

認めたくはないけれど、これも「彼」の魅力の1つなのでしょう。

いかなる姑息な手段も通用しないと分かってしまえば、もうありのままで攻めるしかありません。

誘っていた側から誘う側へ…直接「彼」のもとへ向かいます。

タイムリミット

狼少女の結末を
救ってハンター
声がもう届かなくなる直前

出典: A.S.A.P./作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル

この3行の歌詞の中には様々な要素が凝縮されています。

狼といえば、それを狩るための狩人が連想されませんか?

生を司るドクターと死を司るハンター…同じ語呂でもその意味は正反対です。

また、狼男の話を思い出してみてください。

狼男が活動できるのは満月の夜だけと決まっています。

シンデレラのような美しい話ではないのですが、終わりは着実に近づいてきています。

「もうこんな仮初めの姿なんて嫌だ…」

「早く本心で向き合いたいの…」

助けを求める相手はハンターです。

狼少女から人間へと戻ることを切望しているのでしょう。

強がりな女の子

A.S.A.P. 誰よりも早く気付いて
A.S.A.P. たったもう一度だけ信じて
これが最後の嘘と誓います
Can you believe me tonight?
A.S.A.P. 秘密の呪文を唱えて
A.S.A.P 私の扉を開いて
物語が終わるまでここにいて
Take it or leave it tonight

出典: A.S.A.P./作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル