くるり「ふたつの世界」

初めてのアニメテーマ曲!

【ふたつの世界/くるり】歌詞解釈!輪廻の輪の向こうには何がある?「境界のRINNE」と絶妙にリンクの画像

「ふたつの世界」は、2015年9月16日にリリースされた彼らの29枚目のシングルです。

ロック色の強いくるりとしてはちょっと異質な楽曲となっており、ポップでキャッチーなノリの良い楽曲に仕上がっています。

というのも、今回のこの楽曲は彼らにとって初めてのアニメのエンディングテーマソング提供曲となったためです。

アニメの世界観を重視しつつ、これまでの彼らにない要素を盛り込みつつ、一見爽やかな中にもしっかりと耳に残るくるりらしさも詰まった1曲になっています。

さらに、このシングル同じ曲の様々なバージョン違いが収録されており、色んな角度から楽しめる作品に仕上げており、ちゃんとくるりファンにも楽しめる1枚になっているのが面白いところです。

また、ジャケットにはアニメの絵が起用され、元々のくるりファンはもちろんのこと、アニメファンまで巻き込み、オリコン週間チャートでは13位を記録しました。

そして、そのアニメとは「境界のRINNE」です。

それでは、次にそんな「境界のRINNE」について紹介していきましょう。

「境界のRINNE」のエンディングテーマに起用!

「境界のRINNE」

【ふたつの世界/くるり】歌詞解釈!輪廻の輪の向こうには何がある?「境界のRINNE」と絶妙にリンクの画像

「境界のRINNE」は、元々あの高橋留美子が描いた漫画が原作になっています。

高橋留美子と言えば、何と言っても「らんま1/2」の作者としてのイメージが強いのではないでしょうか。

【ふたつの世界/くるり】歌詞解釈!輪廻の輪の向こうには何がある?「境界のRINNE」と絶妙にリンクの画像

彼女にしか描けない独特のタッチの画風はもちろん、コメディー要素も盛り込んだ漫画は一躍人気となり、アニメ化もされました。

【ふたつの世界/くるり】歌詞解釈!輪廻の輪の向こうには何がある?「境界のRINNE」と絶妙にリンクの画像

また、同じくアニメ化もされた「犬夜叉」も有名で、「境界のRINNE」を制作した裏側には、少しシリアスな内容だった「犬夜叉」とは違った作品を作りたいというところから始まったそうです。

そして、原点である「らんま1/2」のようにコメディー要素を含みつつ、また新しい世界観の漫画が生まれたのです。

その内容としては、真宮桜という幽霊が見える少女と、死神の仕事を請け負う少年である六道りんねが主人公となっていて、2人で協力しながらさまよう霊を輪廻の輪へ送るストーリーになっています。

また、それだけに留まらず2人の恋愛模様まで描かれ、幅広いストーリーをコメディー要素と絡めて展開した作品に仕上がっています。

そんな「境界のRINNE」のアニメ版はNHK Eテレで放送され、2015年7~9月のエンディングテーマに「ふたつの世界」が起用されました。

さまよう霊を輪廻の輪へ送る上であの世とこの世を往来する内容になぞらえて「ふたつの世界」と名付けたこの楽曲。

歌詞を見てみると、原作のストーリーとしっかりとリンクしています。

それでは、次にそんな「ふたつの世界」の歌詞を見ていきましょう。

歌詞を徹底解釈!

輪廻の輪の向こうには何がある?

君がきらい でも 愛してる
どうしようもない程に
交わらない ふたつの世界
輪廻の輪の向こう

出典: ふたつの世界/作詞:岸田繁 作曲:岸田繁

まずは導入部分です。

まずは、相反する2つの言葉を並べることによって、タイトルにもなっている「ふたつの世界」がどういったものなのかを提示していきます。

「嫌い」と「愛してる」という正反対の感情で表現されているように、この「ふたつの世界」は交わることのない正反対の世界であることが窺えます。

これは「境界のRINNE」で描かれた「あの世」「この世」を表現しているのではないでしょうか。

また「輪廻の輪」というフレーズも「境界のRINNE」の世界観を踏襲していて、冒頭から一気にその世界観に引き込んでいきます。

こらえてた 言葉さえ
唇からこぼれそう
愛の欠片 流れ星のよう
消えてしまう きっと気付かない
交わらない ふたつの世界
輪廻の輪の向こう
回る回る 記憶を繋ぐ
また会う日まで

出典: ふたつの世界/作詞:岸田繁 作曲:岸田繁

そして、この世の儚さや刹那を歌っていくような歌詞に続いていきます。

溢れ出しそうな想いがありますが、それをなかなか言葉として発することができないようです。

それはなぜかと言うと、その想いを言葉にしても相手に届くのかどうかは分からないからです。

どんな言葉を発したとしても、どれだけ想いを吐露したとしても、それが相手に届かなければ無かったのと同じになってしまうのではないでしょうか。

それならば伝えずに胸にしまっている方がいいかもしれません。

そんな想いの儚さが描かれているようです。

さらに、冒頭の歌詞を引き継ぎつつ、巡っていく記憶についても描かれていきます。

ここは「境界のRINNE」で主人公である桜が親切なオバさんである魂子に出会って、記憶が蘇るシーンにも繋がってきます。

忘れないで 生まれ変わる時がきても
心がちょっと近づいても 昨日の君のまま

出典: ふたつの世界/作詞:岸田繁 作曲:岸田繁