KOHHの2枚目のファーストアルバム『KOHH - 梔子』
2枚目のファーストアルバム?!
KOHH(コウ)の「飛行機」が収録されているアルバム『KOHH - 梔子』(コウ-くちなし)は極めて異例なアルバムとなっています。
なんと、ファーストアルバムでありながらセカンドアルバムの次に発表されたファーストアルバムなのです!
制作されたのは、「ファーストアルバム」→「セカンドアルバム」の順なのですが、「セカンドアルバム」→「ファーストアルバム」の順で発表されたということです。
なかなか、ユニークな試みだと思いませんか?!
では、さっそくその異例のファーストアルバム『KOHH - 梔子』に収録された『飛行機』について考えていきましょう。
『飛行機』歌詞を紐解く
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冒頭から輝かしい未来に向かってすすんでいこうとする前向きな気持ちが感じられる歌詞。
「また飛んでいく同じ空の上」と、同じ空の上を飛んでいると書きながらも「高い空の上」を「また飛んでいく」と書いています。
これは、「同じ空」でありながらも、より「高い空の上」を飛んでいく、ということを表しているのではないでしょうか。
新しい出発をする度に、より「高い空の上」を飛べるように成長している、と考えたらとても前向きな曲なのです。
まさに、『飛行機』というタイトルとこの冒頭の歌詞が、”出発”というテーマを象徴しているといってよいでしょう。
また飛んでいく
飛行機に乗って遠いとこへ行く
また飛んでいく
また飛んでいく同じ空の上
高い空の上
また飛んでいく
出典: 飛行機/作詞:KOHH 作曲:KOHH
注目すべきは「飛んでいく」ではなく「また飛んでいく」と書いているという点にあります。
「飛行機に乗って遠いとこへ」「また飛んでいく」のです。
つまりこの曲は”繰り返される旅立ち”の日、”これからの出発”を歌った曲であると考えられます。
実は、日々の生活の中に”これからの出発”というのは意外と数多く散りばめられているものだったりします。
今までとはまったく違う環境になるという意味では、クラス替えでさえも「飛行機に乗って遠いとこへ」「飛んでいく」という感覚になりませんか?
好きな異性や友人と離れ離れになってしまうのは、時にとても寂しいし苦しいことですよね。
そういった、一見些細なことのように見える小さな変動も、”出発”と考えて良いのかもしれませんね。
人生は「また飛んでいく」ことの間断なき連続なのです。
KOHHの体験談?
5年前に
お客さん誰もいないとこでライブしてたの忘れてないし
運送室で毎日乗ってたハイエース
出典: 飛行機/作詞:KOHH 作曲:KOHH
キャッチ―なメロディが終わると、KOHHの体験談と思えるような歌詞が続きます。ここが、グッと響きます。
これは、KOHHの体験談とも解釈できますね。
5年前、まだ誰もファンのいなかった頃のことでしょう。
今とは違う、”駆け出し”のころの環境を思い出し、その頃があるからこそ今があると思わせてくれるような内容です。
「ライブしてたの忘れてない」という歌詞から、現在の自分がいるのは当時「お客さん」がいないところでライブをしていた経験のおかげ、というKOHHの謙虚な気持ちが表れています。
自身の体験として書かれているからこそ、KOHHの歌詞はより深く、リスナーの心に響くのでしょう。
「飛行機」のテーマが”出発”であり、自身の”出発”体験を書くことでより一層歌詞の説得力は増していきます。
そして、KOHHの、ただ自分の体験を事実として述べていくシンプルなスタイル。
KOHHの他の曲の歌詞を読んでみても、このスタイルは一貫していますね。
リアルな生活の変化を表現
”楽しくあること”にフォーカスするKOHH
仕事も楽しいけど大変
やりたいことやりてーから
今もiPhoneに歌詞書いてる
刺青だらけのラッパー
出典: 飛行機/作詞:KOHH 作曲:KOHH
冒頭のサビの後は、こうした簡素で分かりやすい歌詞が並んでいきます。
「刺青だらけのラッパー」など、ここでもKOHHを彷彿とさせる歌詞が書かれています。
「今もiphoneに歌詞書いてる」とか、とてもリアルな描写です。
このように生々しいリアルな描写が多く含まれており、KOHHとファンの距離がグッと縮まりそうですね!
ゼロから始まった今はここにいる
今まで見たことないところに行くLet's go
出典: 飛行機/作詞:KOHH 作曲:KOHH