惜しまれつつ解散したSAKEROCK
SAKEROCKの不思議な存在感
2015年惜しまれつつ解散したSAKEROCK(サケロック)。
今思うと本当に不思議なバンドでした。
私見ですが通常大好きなバンドの解散は大きな喪失感をもたらします。
しかしSAKEROCKにはそれがない。
個々のソロ活動が魅力的なことも大きいでしょう。
しかしそれは他のバンドも同様ですね?
リーダーは星野源!
ご承知の通りSAKEROCKは星野源を中心に結成されたグループです。
メインの旋律を奏でるトロンボーンはハマケンこと浜野健太。
星野源より先に俳優・タレントとしての地位を固めたのはハマケンでした。
ドラムの伊藤大地は奥田民生・岸田繁とバンドを組み、細野晴臣からV6にまで希求される人物。
スーパーバンドなのに素朴な音、しかもインディーズ。
解散しても個々の活動があるからいいと割り切れる。
そんなバンドは他に思いつきません。
今回はそんな不思議な存在感を放つSAKEROCKの最高傑作と名高い「MUDA」の魅力を解説いたします。
星野源は聴いたことがあるけどSAKEROCKってどんなバンド?という方も少なくないでしょう。
しかしそんな方にこそSAKEROCKの音に触れてほしい!
そんなわがままで記事を書かせていただきます。
最高傑作と名高い『MUDA』の秘密とは?
SAKEROCK4枚目のアルバム
4thアルバム「MUDA」収録曲
1.MUDA
2.Goodbye My Son
3.URAWA-City
4.Hello-Pō
5.DANCHI
6.FUNK
7.HIROSHIMA NO YANKEE
8.KAGAYAKI
9.WONDER MOON
10.Oyabun
11.Green Mockus
12.8.16
13.GUNPEI
出典: MUDA/SAKEROCK
SAKEROCK好きの友人に一番好きなアルバムは?と聞くと2つの意見が帰ってきます。
1つはラストアルバム「SAYONARA」。
そしてもう1つが今回激推しする4thアルバム「MUDA」なんです。
「MUDA」の何がすごいかというと...。
言葉にするのが難しいのですが。
1曲目のイントロを聴いた瞬間「CD間違えた?」と思いました。
星野源のギターがひずんでいるのです。
ゆるふわバンド日本一のSAKEROCKなのに?
しかし曲が進むと今まで以上にゆるふわな世界が待っている。
「MUDA」はそんな不思議なアルバムです。
1曲目のタイトル曲「MUDA」のMV。
格好いいです。一瞬ミッシェルガンエレファントかと思いました。
でもハマケンのホーンが入るとふんわりします。これぞSAKEROCK。
SAEROCKはご承知の通りインストバンド、つまり歌のないバンドです。
しかしメロディはしっかり歌っています。
というか星野源の初期のソロ作とほぼ変わりません。
どうして星野源は歌わないの?
そこに「MUDA」の良さが詰まっているのです。
『MUDA』はコンセプトアルバム?
曲を聴き進めると従来のSAKEROCKとの違いがハッキリとしてきます。
それぞれの楽器の音像がハッキリしているのです。
そう、ライブで聴く生々しいサウンドそのもの。
「MUDA」はコンセプトアルバムだったのです。
「ゲストは呼ばず、4人だけで作ろう」
CDのライナーノーツで星野源が明かしています。
「ライブで演奏される生々しいSAKEROCKを記録しよう!」
従来のアルバムでは多重録音、つまり4つの楽器以外の音を重ねて録音していました。
ギター以外にマリンバという木琴の一種の演奏も行う星野源。
前作「ホニャララ」では1つの楽曲にギターを2本、さらにマリンバも重ねて録音していました。
しかし「MUDA」は全曲ライブでそのまま再現できる構成で録音されたのです。