back number隠れた名曲「助演女優症」

「助演女優症2/back number」の歌詞が描く大人の恋愛とは...?!アルバム『○○』収録曲♪の画像

back numberといえば、現在の歌謡界でも人気の男性3人組ロックバンドです。2004年に結成したのち、2009年にインディーズデビューを果たし、その後もとんとん拍子に2011年にシングルはなびら」でメジャーデビューをしました。

彼らの楽曲恋愛をモチーフとしたものが多いとされていますが、まるで女性が描いたかのような女性や男性の繊細な感情が上手に描かれています。

中でも、彼らの楽曲の中で隠れた名曲とされているのが、シングル青い春」のカップリングとして収録された「助演女優症」です。

一緒になれない切ない乙女心を舞台の脇役にたとえて表現

愛して欲しいと叫ぶ事は いつの間にやら恥ずかしい事のようで
愛していますと叫ぶ事も 時代遅れみたいだね
開き直れば 私はきっと幸せね
選ばれなくてもここに いられるのだから

出典: https://twitter.com/KTMclubdj/status/921761747668672517

助演女優症は、本来であれば「賞」と当てがうべき字が「」という文字となっています。

歌詞を見るとわかりますが、これはおそらく本命の相手がいるであろう男性に対する女性のやり場のない切なさが描かれています。相手との関係に思い悩みながらも断ち切ることができないものをひとつの病気のように表現しているため、「助演女優"症"」となっているのでしょう。

また、この曲に登場する女性は、相手の男性の本命の相手を「主演女優」として、自分のことを脇役、つまり助演女優に置き換えています。そして、少し自虐的に「一生懸命助演女優を演じてあげる」という意味も込めて、「助演女優賞」と「助演女優症」をかけているのでしょう。

禁断の恋に溺れた直後の女性の葛藤が描かれている

今はもうあなたが好き それを口に出してしまえばほら
今はもうあなたが好き 少しだけ楽になるかもしれない
取って付けたような台詞で 惑わせて

出典: https://twitter.com/KashiBacknumber/status/921723083798364160

本命がいる男性との恋というのは、想像以上に辛いものです。彼の本心が自分に向かないまま、どうしようもない想いだけを胸に恋をするわけですから、思いが強ければ強いほどその傷も大きくなります。

「助演女優症」ではその狂おしいほどの思いを抱えて壊れてしまいそうな様子を、「今はもうあなたが好き」という言葉を多用することによって表現しています。しかし、この言葉は決してあなた(相手の男性)に伝えることができないまま、叶わない片思いを続けているのでしょう。

続編とも言われる「助演女優症2」とは?

「助演女優症2/back number」の歌詞が描く大人の恋愛とは...?!アルバム『○○』収録曲♪の画像

「助演女優症」の最後のサビでは、「今はもうあなたが好き」というフレーズが4回も続き、狂おしいほどの女性の恋心が、クライマックスにふさわしく燃え上がるように描かれています。

それでも言葉にはできずにやるせない想いだけを抱えて終わっているわけですが、この曲には実は続きがあります。back numberは「助演女優症2」という、"「助演女優症」の続編ですよ"と言わんばかりのわかりやすいタイトルの曲を発表しているのです。

女性はついに別れを決意した

最後のデートくらいはどんなに
多忙だって遅れず来てよ
あとその指輪もせめて外してから来てよね
頭の中で浴びせた本音は
キスひとつで溶ける脆さで
あなた好み清楚可憐を纏って 纏って

出典: https://twitter.com/_fvl816/status/918376052015079425

「助演女優症」の続きということで、少しは二人の関係が良い方に展開したのかな?と思いきや、歌詞を見てみるとこの二人が何ら進展していないことに驚きます。

ただ、「最後のデート」や「最後の言葉」というフレーズがあることから、女性がついに別れを決意したのだということが想像できます。

自分のことを見てはくれない彼に対して、半ば諦めたような気持ちを抱きながらも、それでも完全に気持ちを断ち切ることができない自分の気持ちに自身で呆れているようなニュアンスで情景が描かれています。 

半ば諦めながらも、それでも完全に断ち切ることができない恋心

最後の言葉くらい

少しは男らしくすればいいのに

いなくなったところで

次の私を探すんでしょう

出典: https://twitter.com/krtj3jr/status/921679893808549888

「助演女優症2」では、別れを決めた女性が、彼との最後のデートをする様子が描かれていますが、最後のフレーズは「自分が代わりがきく存在だった」ことを自虐して描いている悲しい場面となっています。「次の私」とは文字どおり、「私と同じような存在」を指しているのでしょう。

想像するに男性は女遊びの激しい人で、そんな彼に女性である自分は燃えるほどの情熱を捧げたのに、彼の方は自分をたくさんいる女性のうちのひとりとしか思っていなかったということを痛感させられたのでしょう。

「助演女優症2」が収録されているCDは?

ヒットシングル「クリスマスソング」