シングル曲のカップリング
映画『パラダイス・キス』のED曲に
「YOU」は実はシングル曲ではありません。
2011年6月にリリースされた19枚目のシングル曲「HELLO 〜Paradise Kiss〜」のカップリング曲です。
「HELLO 〜Paradise Kiss〜」は、矢沢あい氏の漫画を原作とした、北川景子さん主演の実写映画の『パラダイス・キス』の主題歌となっています。
その映画のED曲となったのが、カップリング曲として収録されている「YOU」でした。
2つの『パラダイス・キス』
漫画版でのタイトルは『Paradise Kiss』で、1999年から2003年まで連載され、全5巻の単行本(文庫版では全4巻)が発売されています。
ファッション誌で連載されていたほどですから、矢沢あい氏の非常にオシャレなファッションセンスが生かされたこの漫画は、2010年には既に600万部の売上を突破しているとか。
そして今もなお売れ続けています。
多くの国で翻訳版も出版されていて、そのファッションセンスの高さは世界でも高評価を得ているというのですから、本当に素敵です。
実際に販売して欲しいという声も多くあがるほどに、可愛くてセンスのいいお洋服がいっぱいなんですよ。
この作品は、2005年には同じタイトルでアニメ化されています。
そしてもうひとつの同じ作品が、2011年に実写映画版化された『パラダイス・キス』です。
表記がカタカナになったこちらでは、やや設定の変更や登場人物の不在などもあり、ラストシーンもオリジナルとなっています。
しかし上映時の動員数は相当なもので、映画観客動員ランキングでは初登場で第2位になるなど、原作漫画の終了から相当経っているにも関わらずの人気ぶりには驚くばかりです。
絶賛された映画のテーマ曲
プロデューサーから長期のオファー
映画版『パラダイス・キス』のプロデューサーである松橋真三氏が、長期にわたって制作オファーをしたのがYUIでした。
YUI自身ももともとこの原作漫画のファンであり、さらには映画も観た上で楽曲の制作に挑んだと言います。
プロデューサーからはいくつかの注文を受けたようですが、YUIは見事にそれらをクリアするとともに、自身の視点から感じた要素も含めるなど、全力で仕上げました。
主題歌の「HELLO 〜Paradise Kiss〜」は、シングル曲ではこのタイトルで発売されていますが、その後のアルバム収録の際にはすべて「HELLO」と改題されています。
ED曲も書き下ろし
『パラダイス・キス』は原作からずっと、夢と恋愛を描いた作品です。
夢も何も持たなかった少女がショーモデルにスカウトされ、反発しながらもだんだん彼らの夢に対するひたむきな姿勢に惹かれていくというのが物語の軸。
ファッションと言えばまずモデルが脚光を浴びますが、その服を作らなければ意味がありません。
物語の舞台は芸術学院の服飾科ですので、衣装を作ることやデザイナーの存在、それに隠れて普段は見えない裏方の仕事もあります。
仲間たちがそれぞれの夢を追うのを見て、主人公も変わっていく、成長物語でもあると言えるでしょう。
そしてもちろん、少女漫画に不可欠なのが恋愛!
表にも裏にも登場人物のさまざまな気持ちが見え隠れし、出会いがあれば別れもあります。
主題歌の「HELLO 〜Paradise Kiss〜」については、多くの専門家からも高く評価され、いくつもの賞をとっていますが、その映画のエンディングに流れる「YOU」という曲もまた、YUIのセンスが際立った楽曲になっています。
明暗のある始まりと終わり
オープニングはハッピーな明るさ
『パラダイス・キス』は、ファッションやオシャレ、都会の街、恋の予感などが散りばめられた、明るい未来を予感させる物語です。
もともと何も持たなかった少女が、夢を抱いたり恋をしたり、だんだんと変わっていく姿も巧みに描かれているのです。
そのため、主題歌の「HELLO 〜Paradise Kiss〜」は思いっきり明るくて、歌詞も世界観がそのまま見えるようなものになっています。
ロック的な要素を持つポップソングとされていて、映画音楽としても十分な完成度になっていると絶賛の嵐。
YUI本人が雑誌のインタビューでも下記のように答えています。
「(略)主人公が葛藤する姿や意志の強さ、青春の甘酸っぱさなど、いろんな要素を感じたので、それらを詰め込めたらいいなと。“危険な夢 触れたくなる”という歌詞がありますが、希望に満ちた感じにしたいと思って書きました」
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/HELLO_〜Paradise_Kiss〜
確かに、そんな雰囲気がビシバシ伝わってきますね。
映画を観る前からテンションが上がります。