この曲は、稼げてないラッパー(ミュージシャン)を不定職者とよぶスパイスのきいた曲名となっています。

この不定職者は特定のだれかというよりは過去のSEEDA自身の経験なのか、妄想なのか?

そんなことを考えながら聞けるエンターテインメント風の歌詞も楽しいです。

体験したかのようなリアリティのあるリリックも綴られています。

だからといってラッパーにしかわからないようなネタになっているわけでもありません。

搾取を行う反面、搾取しようとする相手にもディスりながらリリックは続いていきます。

ちなみに、本アルバムが発売されたのはラッパーとしての人気が上がってきた頃です。

お金が集まる中で、自分と周りに変化があったことでしょう。

その中では金にまつわるトラブルがあったのだろうと想像ができてしまい、悲しい思いがよぎります。

6.Sai Bai Man feat.OKI(GEEK)

アンダーグラウンドなリズムで、彼ならではの視点で大麻の栽培をユーモラスに表現しています。

大麻は日本では違法なものです。

大麻を栽培している人に向けたあるあるに対してユーモアを交えたリリックで表現しています。

1サイクルが3ヶ月だとか、英国王室御用達のアロマテラピーといった表現が何処までを誇張しているのか?

どこまでがリアルな内容なのか?

そんなことがどちらでもよいぐらいに豆知識としてスッと頭に入ってくる内容です。

7.WE DON’T CARE feat.GANGSTA TAKA

このアルバムは全体的にハスラー要素が高い楽曲が揃っています。

この曲は特にハードなラップとなり、刹那的なリリックが多く出てくる楽曲です。

歌詞の中には自分の暴力的な欲望に素直に行動を起こしている表現も含まれています。

しかしチンピラになり下がることには抵抗があるようです。

一方で、破壊の欲望をおさえられない葛藤がリリックの中にも見え隠れしています。

内面に迫るリリックに注目の後半曲

8.JUST ANOTHER DAY

この曲は、前半部分と終盤部分で未来に向かう気持ちが違う方向に変わっている楽曲です。

前半部分はダチの尻拭いを行う日々や、夜中にまともじゃない連絡が来るなどが綴られています。

歌詞から読み取れるように、格好がつかない日々を送っていたようです。

しかし、歌詞の終盤では、自分の不器用さを認めた歌詞に変わっていきます。

自分に選択肢がないのは周りの環境のせいだと思っていました。

しかしよくよく考えてみるとそんなことはなかったのです。

自分の意思で好きな時に選べるのだということを思い出す、活力のあるラップになっています。

9.GAME

裁判を待つ取り調べの中をラップにした曲で、留置所での出来事を歌った歌です。

私選弁護士を頼ったにもかかわらずどうやら刑務所行きになりそうな悲惨な状況をラップにしています。

法を手にした相手が自分の一生を左右する事に苛立ち、法が無ければ自由を手にしているのに

そんな自由への渇望が感じられます。

まだ刑は決定していないが、自由と束縛(刑務所)の狭間時でおぼえる不安感を感じさせる1曲です。

10.ガキのタワ言

当時26歳のSEEDAが自分を取り巻く世の中について、独自の視点からのラップを歌った楽曲です。

金を求めるもそれだけでは何か満たされない気持ちが何なのかを模索しています。

もっとボキャブラリーがあれば…という願望が綴られているのです。

タイムマシーンを使ってラップをしない人生を送った場合はどんな大人になるのか?

官僚になったら裏金をばら撒きたいなど、結局自分という枠は変わらないでしょう。

メビウスの輪のように、人生が変わっても人生の出口は変わらないのではないかと気がつきます。

不器用であってもこれが俺だから気にせずに我が道を進んでいこうとするガキのタワ言です。

11.DAYDREAMING