3曲目の【俺たちのトラベリン】は、アルバムに入っている全12曲のうち、最も早く完成しました。
この作品が呼び水となり、メンバーが本気モードで作詞・作曲に取り掛かったようです。
50代のメンバーが普段の何気ない日常生活で感じている悲喜こもごもからアイディアを得て、情景を描いています。
哀愁が漂うバラード曲です。
ほろりと熱いものが流れ落ちそうです。
カーリングシトーンズの潔さを体現
8曲目の【B地区】は、もともと寺岡シトーンのスタジオにあった音源がベースとなっています。
タイプの異なる複数の素材を絶妙なバランスで貼り合わせています。
職人気質の地道な作業によって、カーリングシトーンズっぽくないラップ調の楽曲に仕上がりました。
彼らの意外な一面、引き出しの多さにハッとさせられるはずです。
そして、男のロマンを題材にした歌詞に対し、彼らの潔さのようなものを感じられます。
バンドに新鮮な感覚を持ち込んだトータスシトーン
ブルース?ポップス?とにもかくにも心地よいサウンド
作曲する過程において、トータスシトーンはブルースを強く意識していました。
日本人にとっては馴染みが薄いブルースに、バンドのメンバーは新鮮な感覚で挑んだようです。
6人のカラーで染め上げ、ポップス風の【わかってさえいれば】と【夢見心地あとの祭り】を完成させました。
4曲目の【わかってさえいれば】は、ギターとベースを牽引するかのように、ハーモニカの美しいメロディーが響き渡ります。
メンバー1人1人が持ち味を生かし、重厚感が溢れるサウンドに練り上げています。
バンド音楽の素晴らしさに理解を深められるでしょう。
ブギウギスタイルにハッピーになれる
11曲目の【夢見心地あとの祭り】は、ブギウギスタイルのリズムが特徴的です。
弦楽器のべべン~べべン~という小気味いい音色が反復され、心が躍ります。
演奏テクニックはもちろんのこと、歌声にも魅了されます。
トータス松本氏とバックコーラスが作り出す美声のグラデーションは、音楽通が太鼓判を押すクオリティの高さです。
聴いている最中、メンバーと一緒に「ゆめみ」「ここち」「あとの」「まつり」と歌いたくなるのではないでしょうか。
とことんカッコよさを追求したキングシトーン
【マホーのペン】と【タイムテーブル】は、キングシトーンが作曲者です。
彼曰く、「カッコイイ」音楽を追求しながら作りこんでいったそうです。
甘いメロディに癒される
5曲目の【マホーのペン】は、キングシトーン・トータスシトーン・浜崎シトーンがリードボーカルを務めています。
3人がリレーのごとく歌い継ぎ、甘いメロディを奏でています。本格派のボーカリストだからこそ、なせる技です。
奥田シトーン・斉藤シトーン・寺岡シトーンの卓越した演奏テクニックも要チェックです。
優美な音色がフレーズに命を吹き込み、聴く者の心を潤してくれます。
落ち込んでいる時、こちらの楽曲が励ましてくれるのではないでしょうか。