陰鬱な環境からの脱却
新しい世界への一歩
踊り出すんだ LAST NUMBER
出典: MOONLIGHT ESCAPE/作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿
この歌詞のテーマは、児童虐待やイジメといった理不尽な環境にあっている子どもです。
そんな環境から逃げ出してもいいんだと優しく包み込むようなメロディと共に伝えています。
ここで踊り出すというのは、抑えていた気持ちの昂りを開放するという比喩表現になっています。
虐待やイジメを受けて心の底に溜まっていた逃げ出したいという感情が高まっているのでしょう。
そして、”最後”の歌だということを強調して、これからは新しい道に進むということを示唆しています。
新しい道とは、一体どんなものなのか気になりますね。
垣間見える背徳感
神様お願いだ 僕の事をゆるしてね ねえ ESCAPE
出典: MOONLIGHT ESCAPE/作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿
逃げ出すことに成功し、高ぶる気持ちの裏には逃げてしまったことへの背徳感が表現されています。
そんな自分に対して許しを乞う相手は神様しかいないので、許しを懇願しています。
「ねえ」と見えない相手にお願いするほど必死な様子です。
その葛藤している様子は、社会人の悩みを表しているようにも考えられますね。
何かを我慢しながらモヤモヤして生きている人は多いでしょう。
ここでは、”一人”で生きていくことに対する不安が見えていることから、ネガティブな印象を受けます。
親から離れる子供の心情
心細さから自分を奮い立たせる
たった一人だ 旅立ちだ 夜が明けるその前に ESCAPE
出典: MOONLIGHT ESCAPE/作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿
たった一人だということを強調していますね。
ここで、伝えたいことは頼れるのは自分自身しかいないことです。
ここでの”一人”という意味には、寂しさを含んだネガティブな印象があります。
先ほども神様に許しを乞う様子から、”一人”でいることへの不安を感じている様子がありましたね。
一般的な”一人”のイメージも、誰にも頼ることができないような寂しいイメージを持っている人も多いでしょう。
ただ曲の後半では、そんな印象を覆していきます。
そして、夜が明ける前に旅立たなければならない理由は、後々の流れで分かってきます。
両親への気持ち
パパママおやすみ ねえ 僕の事を 忘れないで ESCAPE
出典: MOONLIGHT ESCAPE/作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿
自分のことを虐待していた両親に優しいお別れの挨拶をしていること分かります。
このことから、子どもは両親への愛情を感じ取れます。
これは、逃げ出すことに対して背徳感を感じるほど繊細な子どもだからでしょう。
憎い気持ちを抱えたまま新しい世界へ行くことに躊躇いがあるということも考えられます。
自分はこれから新しい道を進んでいくけど、両親には幸せに過ごして欲しいという願望だとも捉えられますね。
それに反して、自分の事を忘れないで欲しいというセリフがあります。
ここから分かるのは、まだ両親の愛情を欲しているまだ幼い子どもの一面です。
さらに、「ねえ」と語りかける様子から、自分の事を忘れないでほしいというのが本心だと分かります。
ここでは、まだ新しい道に進んでいくことへ後ろ髪を引かれている様子が見えますね。