花のように美しい人
映画と歌のマッチングがすごい
なぜ、「フラワー」なのか。
歌われている花の強さは、鹿野靖明の命の強さ。
花の弱さは、筋ジストロフィーによって脅かされる命の儚さ。
つまり、「フラワー」で歌われる花は、鹿野靖明でもあるのです。
作詞を手がけたのは新藤晴一。
見事に歌の世界と映画の世界観がマッチしています。
では次に、「フラワー」の歌詞にも注目してみましょう。
「フラワー」の歌詞にも注目
「フラワー」は配信限定シングル。
CDのジャケットよりもシンプルで、世界観の強さが特徴です。
そんなジャケットには、1人のバレエダンサー。
漆黒の闇とうつむき加減の顔。
凜とした新の強さと、張り詰めた空気を感じます。
理不尽な苦しみ
なぜ こんなとこに咲いた? その花も理由を知らず
ただ一輪 荒野に芽吹き 人知れず薫っている
出典: フラワー/作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁
歌い出しの部分には、荒野に咲いた一輪の花が登場します。
花にとって理想的な環境ではなく、厳しい環境に根を下ろす。
不本意な環境で生きていかなくてはならない辛さ。
「なぜ?」という悔しさや憤り。
そんな逆境の中でたくましく生き抜く姿が印象的です。
逆境にも打ち勝つ強さ
吹きすさぶ風に 揺れていても 折れず
燃える太陽に しおれても 枯れず
出典: フラワー/作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁
可憐だからこそ輝く強さ
そこに咲いてるだけで こんなにも美しい
弱さと強さを持つ花よ
愛でられるためでなく 色を誇るためでもなく
息づいてる
出典: フラワー/作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁
サビでは、そこにあるだけで美しい、花の姿が描かれます。
花は、水がなければすぐに枯れてしまいます。
しかし、荒野という過酷な環境でも凜とたたずむ姿。
誰に媚びるわけでもなく、孤独の中、ただ咲いている。
無欲だからこそ美しいのでしょう。
相反する姿を見せる花
2行目の歌詞は、花が持つ相反する魅力を上手く表現しています。
可憐な花は、少しの風で折れてしまうかもしれません。
強い日差しに枯れてしまうこともあるでしょう。
それでも、厳しい冬をたくましく生き抜く強さを持っています。
一見するとか弱く見える花も、強い。
筋ジストロフィーという病気と闘い続ける鹿野靖明の姿と重なります。