女王蜂5thアルバム「Q」収録「失楽園」
『失楽園』(しつらくえん)は、渡辺淳一の恋愛小説、また、それを原作とした映像作品。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/失楽園_(渡辺淳一の小説)
『失楽園』(しつらくえん、英語:Paradise Lost)とは、旧約聖書『創世記』第3章の挿話である。
ユリウス暦1667年にイギリスの17世紀の詩人、ジョン・ミルトンによる旧約聖書の『創世記』をテーマにした壮大な初期近代英語の叙事詩。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/失楽園
しかし、そもそもは聖書のお話。
あるいはそれをテーマとした詩です。
そんなタイトルがつけられたこの曲は、2017年4月リリースの女王蜂5thアルバム「Q」に収録されています。
なぜこの世には善と悪という真逆の概念が同時に存在するのか?
根源的なテーマが見え隠れします。
作詞作曲をした薔薇園アヴちゃんはこの曲にどのような想いを込めたのでしょうか。
歌詞の意味に迫ります。
1番の歌詞を見よう!
小指同士の秘密の誓い
やっと心を手に入れた
ふたりをそっと夜が包んで
シーツの海にリングは沈む
もう二度と同じには光らない
ずっと続く永遠の誓いを
ダイヤモンドに閉じ込めたのに
きっと誰にも言えないね
小指同士の誓いを
出典: 失楽園/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ
がっつりラブソングです。
この歌物語の主人公にはずっと想いを寄せていた相手がいて、とうとう願いが叶った状況。
ようやく両想いになれたのに、しかもこの先ずっと愛し合う約束をしたというのに、何やら秘密があるようです。
赤い糸で結ばれた、本気のつき合い。
それならまわりの人たちにお互いを紹介する流れになりそうなものですが、それはできません。
なぜこの交際についてまったくの内緒にしなければいけないのでしょうか。
その理由はまだ明かされません。
本当に求めるひとつとは?
あとひとつだけ ひとつだけ
願わなきゃ叶わない だって
言い訳したって意味ないね
本当 と 声が届かない
出典: 失楽園/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ
一生添い遂げる覚悟でお互いに愛し合っていても、何か足りないものがあることがわかってきます。
その唯一不足しているものとは、一体何なのでしょうか。
しっかり求めれば手に入るかもしれないもの。そこまでは明らかですが、具体的には表現されていません。
しかも主人公は「それ」が実現しないせいで、非常にもがき苦しんでいる様子が伝わってきます。
せっかく実った愛ですが、内緒にしなければいけない何かの為に、幸せになりきれないわけですね。
タイトルの意味
天国なんて行きたくない
きみがいないと始まらない
禁断の恋は報われない?
やってみないと判らない
出典: 失楽園/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ
3行目の歌詞がインパクト大ですね。
タイトルからも、これまでの歌詞からも、薄々「道ならぬ恋」なのでは?と想像できました。
その想像は正しかったわけです。
ただ「何がダメなのか?」についてはやはり具体的には表されていません。
タイトルを渡辺淳一さんの小説にちなんで解釈すると、W不倫になります。
しかし、聖書やミルトンの詩のほうで捉えるならば、もっと幅広い意味が考えられるはずです。
いずれにしてもこの曲の主人公にとって、愛する相手が唯一無二の存在であることは間違いなし。
何らかのダメな理由を抱えつつ、つき合いをやめたり、会わずに一生を終えたりすることは考えられません。
それでも愛し続けるという強い決意が伝わってきます。