独自路線の幸せ
もっと上手に話せたら
判らなくても認められるよ
ずっとこのまま来れたのに
引き返すのも悔しいじゃない
どうかここじゃないどこかへ
楽園じゃなくたっていいから
きっと憧れを失くして
祝福の鐘は鳴らない
出典: 失楽園/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ
そもそも歌というのはラブソング、人生についての歌、子守歌のどれかに分類できるという考え方があります。
この曲もどっぷり恋愛がテーマのようですが、もしかしたら人生寄りの幅広い愛について描かれているのでは?
そんな想像が膨らむセクションです。
何らかのダメな理由についてきちんと説明さえできれば、世間に咎められることもないという話になっています。
あるいは愛する相手に本気の想いさえ伝えられたら、例えダメな原因をクリアできなくても幸せになれるはず。
そんな意味もあるかもしれません。
また、少々飛躍して深読みすると、女王蜂の音楽が幅広く伝わるかどうかという話も想像できます。
熱狂的なファンには女王蜂の凄さが認知されるようになったけれど、あと一歩、広まるとハッピーになれる。
独自路線でも構わないから。こうした解釈も可能ではないでしょうか。
このまま突っ走る
あとすこしだけ
すこしだけを重ねたら
後戻りなんてしないで
したいことをしようよ
飛び交うニュースは聞こえない
出典: 失楽園/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ
道ならぬ恋の中でも不倫についての話だとすると、当人たち同士の暴走という展開になります。
小説、映画、ドラマ、そして歌物語として描かれたフィクションであれば、感情移入も可能です。
ただ、創作でも結末は幸せには程遠い場合が多いのではないでしょうか。
問題点がクリアになっても、まわりの人を傷つける可能性が高いからです。
ただ、アヴちゃんの作詞という点を踏まえると、必ずしも不倫とは限らないかもしれません。
表のストーリーがバシッと描かれているようで、何重にも裏の意味が読み取れる言葉遣いになっています。
また、女王蜂のメンバーは4人とも詳しいプロフィールが秘密なので、その点も解釈の幅が広がる由縁です。
そう考えると、どれほど大変でも女王蜂としての音楽活動を続行するという話にも受け取れます。
いずれにしても突っ走る主人公の行く末を見守ることにしましょう。
果たしたい願い
天国なんて行きたくない
好きな気持ちはどうしようもない
約束が守りたい
出典: 失楽園/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ
不倫ではないけれども、道ならぬ恋。
そんな可能性もあるかもしれません。
コンプライアンス的にダメというわけではないものの、世間一般的にはなかなか理解されない場合が多い恋愛。
この解釈が最も妥当ではないかと考えられますが、具体的に表現されているわけではないので断言はできません。
その為、明確な言葉に置き換えることを避けますが、それもニュアンスを大切にする女王蜂を見習ってのこと。
要するに、不倫のように絶対ダメな恋ではなく、まわりの人に理解されないという問題を抱えた愛。
その問題点については、言葉を重ねて説明すれば真剣さが伝わるはずです。
だから一生添い遂げるという願いを果たしたい。そんな流れになります。
3番の歌詞を見よう!
自分が嫌になっても
Where is paradise?
身体がまるで借り物のようで
ああ くだらない つまらない
でも、その先は
出典: 失楽園/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ
鋭い目線で世の中の出来事を見つめるあまり、衝撃的な言葉遣いの歌詞を生み出すことも多いアヴちゃん。
このセクションでは一見ネガティブな心情が吐露されているかのようです。
ただ、文句を垂れ流すだけでは終わらないところが女王蜂の真骨頂。
しかも肉体は自分の所有物ではないという考え方は、達観した境地です。
なぜならエゴ(自我)がないから。
命には限りがあり、亡くなると肉体は朽ち果てるので、生きている間だけ借りているという考え方です。
この世でこの体を預かったのがたまたま自分なので、大切に生きて、最期はお返しすることになります。
存命中も、死後を思い浮かべても、天国はどこにあるのかわからず、自分が嫌になることもあるかもしれません。
それでもという最後へ進みましょう。
天国を見つけよう!
Where is paradise?
探さない? あるかもしれない
禁断の恋は報われない?
やってみないと判らない
出典: 失楽園/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ