オススメ①「日出処」
モンロー風でバブリーなお姿の林檎さん、北斎画、ネオンサインと文化をコラージュしたジャケットは、一度見たら脳裏に焼き付いて忘れられないインパクト感。このカルチャーまぜこぜ状態がまさに「NIPPON」文化を表しているといえるでしょう。
アルバムタイトルは、『隋書』の「百衲本二十四史」第46巻の東夷伝に記されている、かの有名な「日出処の天子書を日没する処の天子に致す」の文章からとったものでしょう。
しかしこのジャケットデザインから感じるのは、愛国精神における日章旗的な「日出」ではなく、もっとポップで現代的な「日出」です。そしてデザインだけでなく、「日本が存在する」ということをピュアに愛する気持ちが、楽曲、とくにヒット曲「NIPPON」にもあふれ出ていることがよくわかるでしょう。
「NIPPON」
ロン毛の名越由紀夫さん(PV右側ギタリスト)についつい目がいってしまうのは筆者の好みのせいでしょうか…。色気があって鬼かっこいいです。
サウンド的にはザクザクとして程よくヘヴィ感もあるロックナンバー。ベースラインがかなりうねっており、まるで奪い奪われるサッカーボールのようです。
FIFA World Cupでもうお馴染みの曲ですが、部活前や出勤前、控え目に試験勉強前に聴くとモチベ―ションアップに有効です。頑張る人全てが選手であり、「NIPPON」と「サムライブルー」を背負った日本代表なのです!
「カーネーション」
Vivienne Westwoodのリングを指いっぱいにつけていた頃の林檎さんからは想像のつかない威容と母性があふれる作品です。
筆者の母は、この「カーネーション」が主題歌として使われている同名の連続テレビ小説がお気に入りで、毎回欠かさず見ていたそう。ただ「本能」のナースコスや眉毛全剃りのときの林檎さんのイメージがまだ強かったようで、「えっコレ歌ってるの椎名林檎なん!?」と非常に驚いておりました。
寝る前に聴くオルゴールのようなAメロが、心を幼少時代へと連れていってくれるかのよう。後半は大いなる母の愛で大地をも包み込むような音色が全身へと広がっていきます。
「ありあまる富」
こちらの「ありあまる富」については以下記事にて詳細をまとめましたので、ぜひリンク先にてご覧いただければ嬉しく思います。
コメントを加筆するとすれば、あなたの貴重な時間やエネルギーを平気で奪ってくる人は養分として取り込んでしまいましょう。そうすれば悪口や陰口もいい意味で「すべて君のもの」になります。
椎名林檎「ありあまる富」の歌詞を読み解く・・・世界が羨む価値とは何? - otokake(オトカケ)
お金のない世界を想像したことがありますか?あるいは、お金以外のものにお金以上の価値を感じたことはありますか?あの林檎さんによる目頭が熱くなるナンバー「ありあまる富」を聴いて、自分や世界にとっての幸福とはいったい何なのか、考えてみましょう。
オススメ②「勝訴ストリップ」
病床で書かれた曲が多いため、どこか不健康さや湿気を感じる一枚となっています。しかしこの風化した建物やアスファルトの無機質感のような雰囲気がたまらんのですよねえ。
タイトルも秀逸で、コピーライティングではお馴染みの「熟語+カタカナ固有名詞」をうまく使っています。ファーストアルバムのタイトル「無罪モラトリアム」に負けていません。
「罪と罰」
こちらも以下記事でじっくりと歌詞解釈をしたので、リンク先のほうが参考になるかと思います。ぜひご覧ください。よく読まれております!