愛が狂気に姿を変える
共依存がテーマとなっているReolの『激白』。
1stアルバム『事実上』のリード曲となっています。
深すぎる愛は、ときに狂気へと姿を変える。
君以外なにもいらない。
そんな甘い言葉の裏には、異常なほどの執着心や独占欲が含まれているのかもしれません。
互いに依存しあう関係が続けば、やがて2人は世界から取り残されてしまうでしょう。
しかしこの曲では、それを望んでいる様子。
君となら不幸になっても構わない。
曲中で「激白」される君への想いに衝撃が走ります。
歪な共同生活
2人が特別な関係であることは、MVを見れば明白。
彼女たちは閉ざされた部屋で歪な共同生活を送っています。
熱心に黒髪の女性のお世話をするReol。
されるがままになっている女性は、まるで人形のようです。
彼女たちはなぜ、こんな生活を送っているのか?
そして、MVに度々登場する赤い薔薇が意味するものとは?
『激白』のMVを歌詞と共に解説していきます。
2人きりの世界
MVに登場する2人が生活している部屋は、彼女たちの世界そのものなのかもしれません。
誰からの干渉も受けず、ずっと2人きりでいられる空間。
そこには狂気が渦巻いていました。
部屋に閉じこもっている2人
明け方には背いて
だめな遊びをもっと
冷蔵庫の中身が伽藍堂
君の吐くため息が聞きたいのさ
出典: 激白/作詞:Reol 作曲:Reol
朝が来たことにも気付かないフリをして、君と1日中ベッドの上で過ごせたらいい。
「明け方から~」の歌詞には、そんな意味が込められているように思います。
MVでもReolと黒髪の女性が2人並んでベッドに寝ていますね。
Reolが後ろから女性を抱きしめていたり、反対に女性が後ろからReolを抱きしめていたり……。
こういったシーンにも共依存の関係が表れています。
続く「冷蔵庫の中身~」の歌詞からは、映像が冷蔵庫の中からReolの姿を見るアングルに変化。
Reolが冷蔵庫の扉を開けるシーンが繰り返されます。
これは何日も部屋に閉じこもっている様子を表しているのでしょう。
買い物にすら行かないため、とうとう冷蔵庫の中身は空っぽ。
次のシーンでは、Reolが赤いペースト状の何かを女性に食べさせています。
女性は従順に口を開けていますが、いったい何を食べさせられているのか……。
少しだけ恐ろしくなる映像ですね。
行き過ぎた愛情
互い違う体を 逸る激情が
わかってほしいと
不揃いな脈がもどかしいよ
疑い合う頭も 嘘をつく喉も
今はいらないよ 君が
出典: 激白/作詞:Reol 作曲:Reol
自分のすべてを分かってほしい。
相手のすべてを理解したい。
それはきっと、相手とひとつになりたいという感情なのでしょう。
抱きしめ合ったときに感じる互いの脈拍がずれて聞こえる。
彼女たちはそれさえも「もどかしい」と言います。
相手と心も体も混ざりあうことができたなら、疑いあったり、嘘をついたりすることもなくなる。
ただ、君という存在さえ感じられればいい。
そんな少し行き過ぎた愛情が歌われています。
この歌詞のときMVでは、女性の耳と目を塞ぐReolの姿が……。
これは「余計なものは何も感じないで」という意思の表れなのかもしれません。
また、Reolが女性のためにコーヒーを淹れるシーン。
自分が淹れたコーヒーが女性の体内に入っていくのを、Reolはじっと見つめています。
ここのシーンにも、どこか狂気めいたものを感じずにはいられませんね。
支配し合う関係
MVを見る限り、「激白」しているのはReolのほう。
Reolは黒髪の女性に何を伝えたいのか。
歌詞とMV、両方の視点から読み解いていきます。