狂気的な愛は現実離れ?ちょっと待てよ
歌詞を見ていこう
Don't you give me your love and passion ?
Let’s ride to hell, 追従して Go
一緒なら寧ろ死にたいじゃない
Beyond the line 果てなんかない
I swear, I’m gonna be so fucking grateful
You don’t know why my love is crying
凝着したい 過剰なくらい
永遠になりたい Don’t wanna cry
嫉妬妄想狂いそうよ
出典: L.L.L / 作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID
ノイジーに空間を埋め尽くすシンセとギター、駆け回る高速のドラムロール。やりすぎなんじゃねえの、というくらい韻を踏みまくる歌詞。
フックがあり且つ甘味なメロディー、そして空間を切り裂いていくヴォーカルは圧巻です。
その声が、「私」にとって絶対的な「あなた」を想う気持ちを唄う。
それ以外の存在すべてを否定して「一緒であること」、「ひとつになること」自体がまるで人生の最終目的であるかのよう。
これが「溺愛」であり、「狂気」を孕んだ愛情か…。
Don’t you give me your love and passion ?
冒頭の「Don’t you give me~?」という言い回しは、直訳すれば「私に~をくれるんでしょう?」ですが…
「ください!」、「くれるわよね!?」、「くれないなんてありえない!」という強い気持ちにも取れます。
Mayuさんも、歌詞の中に度々登場するこのラインが最も印象に残ると発言されています。
貴方の愛と情熱を私にくださるのでしょう?
これが曲のメインテーマ、キーワードと言ってもいいでしょうね。
You don’t know why my love is crying
凝着したい 過剰なくらい
永遠になりたい Don’t wanna cry
抱擁してよもっと
Don't you give me your love and passion ?
貴方の全て頂戴
理由なんて要らない唯愛し愛されてたい
I don’t want to live in a world without you
貴方以外何も要らない Get it, get it
出典: L.L.L / 作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID
劇中のヒロインは主人公を愛する存在として作られたのですから、彼を愛することに理由なんか無いのです。
相手の人格も自分の資質も目的意識もなんにも関係なく、ただ盲目的に相手を愛するようにプログラムされた存在。
それって幸せなの?愛する方も愛される方も。そんな問いかけをする事もない。
荒涼とした地平で鳴らされるラブソングは、なんだかとても物悲しく響いてきます。そして…
聴いている私にも、劇中の(自分と関係ない世界の)人物の曲だった筈のものが、いつしか自分のテーマソングになっている事に気づくのです。
日常の中、みなさんは激情に駆られ、当初の目的も忘れ、盲目的に突っ走ったことはありませんか?
私は…なかったらどんなにいいだろうな。
これは真剣勝負
なんの為にここまでアンチ・コマーシャルなのか
歌われる感情は、目的もなく盲目的な愛情。 スラッシュメタル・マナーの超高速ギターとドラムが隙間なく空間を埋め尽くす。
そしてヴォーカルもノイジーなエフェクトによって異形の様相を呈し、一聴しただけでは何を唄っているのかほとんど聴き取れません。
そう、全てが過剰なのです。 音数も音量も音圧も。歌詞のワード数も、韻を踏む回数も。そして、込められた感情も。
なぜここまで?と思わざるを得ません。
この音楽においては美しいヴォーカルとメロディーラインだけが生命線で、あとの要素は一般リスナーを遠ざけようとするものばかり。
この音像ですから一般的なラジオ番組でオンエアされる事も少ないでしょう。
じゃあ、私はこの音楽が嫌いなの?んな訳ないじゃん。
聴けば聴くほど惹かれていく自分がいます。そして、ここまで過剰な音にしなければならない理由も、なんとなくわかるのです。
これが現在のインダストリアルなのか
なぜノイジーなの?過剰なの?加工しまくるの?ラジオでかかりにくい音にするの…?
今時多くの人に音楽を届ける為に、必ずしもラジオでかかる必要はありません。
そしてTom-H@ckさんも、アニメ媒体の方がやりたい事をやれると思っていらっしゃるのかも知れません。
そのためのプロジェクトとして、MYTH & ROIDを始めたと。
Tom-H@ckさんの経歴を考えれば、ラジオフレンドリーな音楽を作ることなど楽勝でしょう。
また、メジャーフィールドでアンチ・コマーシャルな作品をリリースするリスク、プレッシャーは、一般人には想像もつかないものでしょう。
なぜノイジーでアンチ・コマーシャルな音にするのか、と問われれば、「そうすることが必要だから」というのが答えになるのでしょう。
何にとって必要なのかと問われれば、「自分自身」としか答えようがない筈ですね。音楽家ならば。
全ての音楽家が目指す筈の、「誰も聴いたことのない音」を作るためだ、という事になるのでしょう。
かつてインダストリアルと呼ばれる音を標榜したアーティスト達が、それを目指したようにね。
↓現時点の最新6thシングル「HYDRA」。「オーバーロード」Ⅱ期のED曲です。
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