小山田壮平「サイン」
andymoriとして2007年から2014年まで活動した後、長澤知之らと共にバンドALを結成した小山田壮平。
ソロとしても弾き語りなどを中心に活動している彼が、2020年6月17日に発表した楽曲が「サイン」です。
この楽曲は、YouTube上で彼が公式チャンネルを開設したと同時に公開した楽曲でもあります。
それまでもライブ等では披露されていた楽曲ということで、ファンの間でも人気の高い楽曲です。
また、6月17日は小山田壮平の誕生日でもありました。
そのことからも、彼のこの楽曲への思い入れの深さがわかるのではないでしょうか。
今回の記事ではそんな楽曲の歌詞の意味を紐解いていこうと思います。
彼が大切にしている楽曲「サイン」。
その歌詞に込められているメッセージとは一体どのようなものなのでしょうか。
「夢」や「愛」に溢れた時代
僕たちの話
何も持たず生まれてきた
僕たちの夢物語 愛の話
出典: サイン/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
まず冒頭の歌詞で、この楽曲がどのようなテーマを持っているのかが語られています。
小山田壮平はここで楽曲の持つテーマを提示しているのでしょう。
「僕たち」という言葉が使われていることから、この楽曲の歌詞が私たちにも関係していることが分かります。
そしてそれに続いて使われているのは「夢」と「愛」という抽象的な言葉たち。
「サイン」にはそれらの言葉で表されるような、私たちの内面に関係する物語が展開されることが示唆されています。
茜色に照らされて
気取っておいでよファッションリーダー
誘ってみせてよバニーガール
飲んで飲んでパーティーピープル
茜色のライトで
出典: サイン/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
このパートでは輝かしく着飾った様子や、若者たちの先端を行くような人々の様子が描かれています。
そしてそんな人々を照らしている灯りの色は「茜色」。
この「茜色」という言葉は、夕日の色を言い表す際によく用いられます。
そしてその色から私たちが感じるのはノスタルジーや感傷といった感覚。
ここでもそんな時代の最先端を行く人々を照らす色にノスタルジックな雰囲気が存在しているのを感じます。
このパートでは、今の時代を描いているのではなく、過ぎ去った時代の人々を描いているのではないでしょうか。
その当時の時代の若者たちを牽引していた人々のことを思い描いているのでしょう。
過去を思い出して
素敵な時代
それは素敵な日々 僕たちの日々
出典: サイン/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
そしてそんな過ぎ去った日々を思い出しながら、小山田壮平はこれを「素敵」だったと回顧しています。
この日々が彼にとって特別なものであり、その日々こそ自分たちの時代であったと考えているのでしょう。
その日々を思い出すことで、彼は私たちに何を伝えたいのでしょうか。
もしかしたら、そんな「素敵」だった日々のことを忘れないで欲しいと私たちに伝えたいのかもしれません。
そんな日々こそ「夢」や「愛」に溢れていた。
そしてその日々を思い出すことで、私たちはこれからも「夢」や「愛」を胸に抱えながら生きていける。
かけがえのない日々が存在していたことを私たちに覚えていて欲しいのでしょう。
後悔
僕はうっかり全部投げ出して
君は「やっぱりか」って涙した
出典: サイン/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
そしてそんな輝かしい時代が幕を閉じたことに、彼は自分自身も関係していたと考えているのでしょう。
1行目の歌詞にはそんな自責の念が込められていることが伝わってきます。
そして、2行目に登場するのはそんな時代の終わりを予感していた「君」という存在。
「君」は彼がいなくなったことに対しての悲しみから涙をしているのでしょう。
このパートで描かれている状況は、andymoriの解散した当時の状況とも重ね合わせることができます。
小山田壮平がandymoriの解散を発表し、ファンがショックを受けている状況を表しているとも考えられるでしょう。