2013年惜しまれつつも解散してしまったRSPを振り返る
2013年11月3日、惜しまれつつも解散という道を選んだボーカルユニットRSP。
デビューまでの道のりをドキュメンタリー番組として放送されることで注目を浴びたことに始まった彼女たち。
それだけではなく、後にはサンプリングを用いたアンサーソングというお家芸を確立させ、業界で独自の地位を築いていました。
彼女たちだからこそできる音楽性で注目を集めていたRSPが何故解散してしまったのか。
解散と言われるとファンとしてはどうしても「寂しい」という気持ちになってしまいますが、それは何も後ろ向きなことではありません。
2人の解散に際してメンバーのSakiが自身のブログでこんなコメントを残していました。
次のステージへ進むために必要な解散だった
“RSP”の二人でいることは楽しいけど、
もうやれることはやってしまったんじゃないのか、
そしてどこかでそんな自分に甘えが出てしまっているんじゃないのか。。
このままでは、“いつかチャレンジしよう”と思っていることも、
チャレンジしないまま終わってしまうことになるんじゃないのか。
出典: https://ameblo.jp/rsp-blog/entry-11524178899.html
RSPで作品をリリースすれば聴いてくれる人たちがもちろん居るし、ライブをすれば観に来てくれる人だってたくさん居ます。
しかしRSPとしての自分たちというのはもう完成してしまっていて、活動を続けても今以上のものは残せない…のような想いで2人は解散に踏み切ったのではないでしょうか。
お互いに進みたいステージへ進むために、別々に歩くことが必要だったということですね。
事実上最後の作品「ii」より
そんな彼女たちが残した作品の中で、事実上最後の作品となるのが2010年9月29日にリリースされた2ndアルバム「ii」です。
前作のアルバム「DICE」のリリースから約2年を経てのこの作品。
その間にリリースされたシングル6曲を全て盛り込むという、RSPのベストアルバムのような立ち位置を担っています。
このことを考えるとこの「ii」が最後のリリースになったということにも、不思議な縁を感じさせられますね。
RSPはサンプリングだけではない!
そんなアルバムの中から今回注目する楽曲は「もう一度だけ ~I love you~」。
サンプリングを用いたアンサーソングで一世を風靡した彼女たちですが、この曲はその類ではありません。
アルバム曲ということで、注目されることも少なかったこの楽曲。
彼女たちが決してサンプリングだけで成り立っていたわけではないということをそこから感じていただければと思います。
冬らしいサウンドの中に響く関西弁が温かい
「もう一度だけ ~I love you~」はストリングスやアコースティックギター、ピアノが奏でる冬らしい煌びやかなサウンドで彩られたバラードナンバー。
そんな中、関西弁で歌われる歌詞に人柄が表れていてホッと温かい気持ちにさせてくれる。
まさに記事を書かせていただいている12月にピッタリの1曲となっています。
動画などで紹介できれば一番良いのですが、残念ながらYoutube上に動画は見当たらず。
気になる方は配信やサブスクリプションなどでもチェックしてみてください!
愛しいのに切なく感じるのは
あんたしかやっぱりいやや わがままで駄目な私やけど
二人なら歩いてゆける 切ないほどI love you
出典: もう一度だけ ~I love you~/作詞:MARKIE、RSP 作曲:MARKIE
歌詞の内容から察するに、2人は別れてしまったのではないでしょうか。
一度離れてみて「やっぱり彼じゃないとダメだ」と主人公が痛感した様子がここに描かれています。
「切ないほどI love you」とありますが、人を愛しく思うときに別れるときと同じぐらいの切なさを感じることがありませんか?
その二つの出来事は全く相反するものですが、その切なさはどちらも想いの強さから。
こう考えてみると不思議なものですね。