恋愛も散々、だけど…

その先にはこんなフレーズもあります。

The postman delivered a letter from your lover
Only a phone call away
You tried to track him down but somebody stole his number

出典: Friends Will Be Friends/作詞:DEACON JOHN RICHARD,MERCURY FREDERICK

「郵便屋さんが君の恋人からの手紙を届けてくれた

一度だけ電話して

君は彼を見つけ出そうとしたけれど、電話番号を盗まれてしまったんだってね」

「track down」は「追跡する、見つけ出す」という意味です。

ということは「君」は、恋人に去られてしまったということでしょう。

そういえば先程のフレーズでは、連れ合いに逃げられてしまっていましたね。

「君」が同じ人物かはわかりません。

しかし、どちらにしろ愛していたはずの人がいなくなってしまったのです。

こちらから連絡する手段も途絶えてしまいました。

またもや散々な目に遭っています。

けれど続きでは、「君」はそこまで気にしていない様子が描かれています。

友達がいれば

As a matter of fact
You're getting used to life without him in your way
It's so easy now, 
'cos you got friends you can trust

出典: Friends Will Be Friends/作詞:DEACON JOHN RICHARD,MERCURY FREDERICK

「実際のところ

君は彼のいない生活に慣れてたんだよね

それはなぜかって、簡単さ

信頼できる友達を得たからだ」

そう、恋人がいなくなっても、もう会えないかもしれなくても平気なのです。

なぜなら、信頼できる友達がいるから。

それほどまでに「君」の中で友達は大きな存在なのです。

少なくとも、恋愛関係にあったはずの人たちを凌駕するほどの。

友達から得た愛

友達は、ずっと

Friends will be friends
When you're in need of love they give you care and attention

出典: Friends Will Be Friends/作詞:DEACON JOHN RICHARD,MERCURY FREDERICK

「友達はこれからも友達だ

君が愛を必要とする時、手を差し伸べて気遣ってくれる」

ここで語られる「愛」は、先程「簡単じゃない」と言われていた「愛」とは少し違うように描かれています。

もちろん、友達の愛が簡単なものであるという意味ではありません。

"簡単にいかない"愛とは、恐らく恋愛関係に近いものを差しています。

簡単に得られるようで、そうではなかった愛です。

何せ、恐らく生涯を共にする誓いを立てていたはずなのに、離れていってしまったのですから。

生涯の友達

Friends will be friends
When you're through with life
And all hope is lost

出典: Friends Will Be Friends/作詞:DEACON JOHN RICHARD,MERCURY FREDERICK

「友達はずっと友達だ

君が人生を終える時

全ての希望をなくしていたとしても」

それに対して友達の愛は、最期の時まで得られるものだと歌われています。

もちろんのこと、歌い手にもまだその時は訪れていません。

しかし、友達は生涯離れていくことはない

その確信があるのです。

"友達"は誰なのか

「友達」がどんな人なのか、それを形容した言葉はありません。

ただ、辛い時にも寄り添ってくれる存在。

そんな描かれ方をしています。

つまりこれは誰か特定の「友達」を想定して描かれた歌ではないのです。

そして歌の中で呼びかけている「君」も同じく、誰か特定の人ではないのでしょう。

歌詞を書いたのはジョン・ディーコンとフレディ・マーキュリーです。

彼らの中には、思い浮かべる存在がいたかもしれません。

けれど敢えて固有される特徴などが描かれていないこと。

それこそが、クイーンやファンがこの曲を大切に思う所以なのではないでしょうか。

"友達"の意味

もう一つの、友達の歌