相手の優しさに甘え続けた主人公
今すぐに抱きしめて
私がいれば 何もいらないと
そう言ってもう離さないで
なんて 嘘だよ さよなら
出典: http://www.uta-net.com/song/216847/
本当は傍にいて欲しい。貴方のぬくもりだけを感じていたい。”私”だけでいいと思って貰いたい。それって一見すると、ただの我儘な感情なのかもしれません。
でも、誰もが心にある願望でもあると思います。そんな想い出に浸れること自体が二人にとっては幸せだったのかもしれません。
傍にいることだけが、二人にとっての”ハッピーエンド”だったのではなく、離れていても、貴方を好きだと思い出すことができる”今”があることが二人にとっての”ハッピーエンド”だったのかもしれませんね。
こうして見ていくと、この歌は詰まるところ相手の優しさに甘え続けた主人公の不器用さを歌った曲だと分かります。
一見すると暢気な相手の方が悪そうですが、しかし結局は素直に自分の思いを伝えなかった主人公に非があるのです。
主人公はきっと相手が優しくしてくれる居心地の良さが好きでたまらず、気がつけばそれが当たり前だと思っていたのでしょう。
しかし、それを当たり前だと思い込んでその居心地の良さに甘え続けたしっぺ返しがラストで来たのです。
恋愛も基本にあるのは信頼であり、相手が自分を構ってくれることや優しくしてくれることは無償ではありません。
主人公はそのことに気付かないまま一方的に相手に甘え続け、相手を理解し向き合う努力を怠っていたのではないでしょうか。
そうして失う段階まで来て、初めて相手の存在が必要不可欠だったということに気付いたのです。
まとめ
こうして見ると、恋愛とはこのようにして美化されていくものであるということを伝えているのでしょう。
別れる辛さを「ハッピーエンド」だと思い込むなんて余程脳天気な人か相手に興味がない人でなければ出来ません。
それを主人公は強制的に行っているのですから、心持ちとしてはある意味危険な精神状態です。
人間とは自分に都合の悪いことは記憶の底に蓋をして忘れてしまいたいというご都合主義な面があります。
だからこそ、決して綺麗事だけでは成立しない恋愛だっていつの間にか「美しい思い出」に変換されるのです。
その美化される思い出がどのように作られていくのかを本作は実に丁寧に描けているのではないでしょうか。
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