Official髭男dism【Cry Baby】歌詞を考察！喜びよりも心地よい痛みが響く理由に迫る

「Official髭男dism」は、その超個性的なグループ名にも思わず注目せずにはいられないバンドです。

2021年リリースの5thデジタルシングル【Cry Baby】もまた、注目度の高い楽曲といえます。

「東京リベンジャーズ」というTVアニメの主題歌として、ご存知の人も多いでしょう。

和久井健原作の「東京卍リベンジャーズ」をアニメ化した、いわゆるヤンキー物の作品です。

軽くあらすじを見ておきましょう。

純ヤンキー物かと思いきや、タイムリープといったファンタジー要素もあるのです。

そんな人気漫画がTVアニメ化するにあたり、Official髭男dismに白羽の矢が立ったというわけです。

彼らといえば優しくポップな楽曲やバラードが目立つ印象でしたが、今回の1曲は一味違います。

「東京リベンジャーズ」の世界観をそのまま再現したかのような、男臭さが炸裂しているのです！

そこには、彼らOfficial髭男dismの新たな一面を見せられた気さえします。

【Cry Baby】全体に漂うヤンキーっぽさをどう捉えるかは、聴き手に委ねられています。

漫画やTVアニメの情景を映し出すような歌詞にも、注目してみましょう。

【Cry Baby】という楽曲は曲調もさることながら、歌詞にもインパクトがあります。

ヤンキー作品が好きならきっと心を打たれるような、男の友情を思わせる武骨な印象のフレーズが並んでいます。

冒頭いきなり現れる乱暴な歌詞には、ヤンキー物に免疫がないと尻込みしてしまうかもしれません。

このパートを聴くだけでも、その情景がありありと浮かんでくるようです。

歌詞から察するに、ここに登場するのは2人の男たちです。

どういう知り合いかは分かりませんが、共に「やられる側」にいるのは間違いないでしょう。

道を歩いて因縁を付けられ理不尽な暴力にさらされるのは、ヤンキー漫画によく見られるシーンです。

殴られて座り込んだ鼻先に、天気予報通りのタイミングで雨が降ります。

引用歌詞4行目の台詞には、弱い者の負け惜しみのような印象もあります。

このパートでいわれる「冗談」というのは、冒頭パートの台詞部分のことでしょう。

口でさえも勝てないようなヤツが、全然笑えない冗談を言ってくる。

つまらなさ過ぎて、いっそ涙が出てくるよ…といったところでしょうか。

冒頭の歌詞を見る限りでは、2人の関係性は不明でした。

しかしこの部分の歌詞に並ぶ言葉から、彼らは友人関係ではないかと推測できます。

いずれにしても、両者の間には一定以上の絆があると見ていいでしょう。

涙が滲んできてしまうのは、口喧嘩でも負けるダサ過ぎる相棒の言葉が胸に染みたからでしょう。

あっけらかんとして言う彼に、殴られた恐怖が和らいだせいかもしれません。

先ほどまでのパートとは打って変わり、明るい調子の歌い出しでサビが始まります。

ここでも、Official髭男dismがこの楽曲の中で肝にしている転調に気付けるはずです。

先ほど紹介したように、主人公がタイムリープできるのが「東京卍リベンジャーズ」の特徴でもあります。

少々ネタバレになってしまいますが、タイムリープは実は一度きりではありません。

主人公はその能力を使って、過去と現実を行き来するのです。

「東京卍リベンジャーズ」にはそういう設定があり、それで主人公がタイムリープすることになるのです。

それらの事情を踏まえた上で、サビの歌詞を見ていきましょう。