「鼻に掛ける」には、得意気にするなどの意味があります。彼女の良いところをほめたり認めたりしても、それを自慢気にするだけで本心が見えないのかもしれません。
彼女がいなくなり「わからなかった」という悩みがなくなっても、さっぱり清々しい気持ちになることはないですよね。ただ、後悔が残るだけではないでしょうか。
それでも、空がきれいなことはいつでも変わりません。逆にそれがセンチメンタルな気分にさせる時もあります。
人が生きるためには、他の命を奪ってそれを食べていかなくてはなりません。食べるものが動物であれ、植物であれそれは変わらないでしょう。
それは逆説的に考えると、生きてきた証と言えるでしょう。「よだかの星」の中でよだかは生きるために他の命を奪うことを嫌悪します。
その絶望から星になったよだかのようには、今さら自分はなれないと感じているのです。
彼女は星になった?
朝焼けた色 空を舞って
何を願うかなんて愚問だ
大人になって忘れていた
君を映す目が邪魔だ
ずっと下で花が鳴った
大きな火の花が鳴った
音だけでも泣いてしまう、だなんて憶う
そんな夏を聞いた
出典: 靴の花火/作詞:n-buna 作曲:n-buna
空を飛んでのぞむことは、ただ1つ。「彼女に会いたい」という願いです。
「大人になって」という歌詞と『よだかの星』の物語から考えると、彼女はもうすでに星になってしまったということも考えられます。
彼女を失ったのは夏なのかもしれません。そのため、花火の音を聞くだけで涙がこぼれそうになるのでしょう。
今さえも抜け出して
夕暮れた色 空を飛んで
この星の今さえ抜け出して
真下、次第に小さくて
消えたのは君の居た街だ
夏の空に花が咲いた
大きな火の花が咲いた
いつまででも泣いていたい、だなんて憶う
そんな夏が消えた
出典: 靴の花火/作詞:n-buna 作曲:n-buna
「この星の今さえ抜け出して」という歌詞から、時間も飛び越えて君に会いたいという気持ちが伝わってきます。
空をよだかのように昇れば、遠く彼方へ君のいた街も消えていきます。しかし、その自分の靴の下の空に咲く花火を見て、涙がこぼれるのです。
いつまでも彼女を忘れられず星になることもできない自分を、なぐさめられるのはその涙だけなのかもしれません。
MVをチェック
『靴の花火』のMVは、図書館のような場所を舞台とした独特な映像です。
そこで女の子が本を読んだりトランプで遊んだりしていますが、楽しそうではありません。何かを失った孤独が強く伝わってきます。
とても抽象的で詩的な映像なのですが、歌詞や音と合わさることでその意味を深く考えてしまうという方も多いでしょう。
2018年5月9日にニューミニアルバムをリリース
ヨルシカは2018年5月9日に待望の2ndミニアルバム『負け犬にアンコールはいらない』をリリースします。
すでにMVが公開されて話題を集めている『ヒッチコック』『準透明少年』『ただ君に晴れ』をはじめ、完成度の高い楽曲が詰まった作品です。
この記事を読んでヨルシカに興味を持った方は、ぜひこのアルバムも聴いてみてください。
詳細については下記の公式サイトからご確認いただけます。
ヨルシカ「ウミユリ海底譚」「メリュー」「夜明けと蛍」等の多くの人気ボカロ楽曲を投稿してきたボカロPでありコンポーザーでもある“n-buna(ナブナ)”が、今までに行ったライブでボーカルを務めていた“suis(スイ)”を迎えて結成したバンド「ヨルシカ」の1stミニアルバムの発売が決定!
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