3歳にして歌手に憧れる

目覚めのきっかけはアノ人

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1989年生まれのMay’nは、3歳の頃にテレビで安室奈美恵さんを見たそうです。

間もなく引退してしまう安室さんですが、これまでの素晴らしい業績を幼くして既に看破していたのか、彼女に憧れて、歌って踊れるアーティストになりたいと考えました。

女の子なら一度はアイドルに憧れる時期はあるのでしょうけれど、実際にその夢を叶えたMay’nは、デビュー当時はまだ高校1年生の15歳

彼女が憧れていた安室さんとだいたい同じくらいの年齢でのデビューとなったのでした。

当初は「中林芽依(なかばやし・めい)」という、本名での活動開始です。

ジュニアのど自慢でグランプリを受賞

愛知県出身の彼女は、地元で行われた「BSジュニアのど自慢」に出場し、グランプリを受賞するという快挙を成し遂げました。

その後はNHKホールで行われたグランプリ大会にも、愛知県代表として出場しています。

13歳の時には、本来は「15歳以上」であることが応募条件であるオーディションに、年齢を隠して出場するという、大胆なこともしたそうです。

歌うことに対する情熱や、歌手になりたいという気持ちの強さが表れているエピソードですね。

しかもそのオーディションでは、たった4名のファイナリストのうちの1名に選ばれたのですから、当時からしてもう相当な実力の持ち主であったことは疑いようがありません。

そして中学卒業後に上京してデビューしたのでした。

銀河の歌姫への挑戦

アニソンとあなどることなかれ

2008年に名前を現在の「May’n」に改名したのは、最初の事務所との契約が終了し、新しい事務所に移籍したこともあると思われます。

しかし、この年に大ブレイクした人気アニメ「マクロスF」への参加があったからというのも、大きな理由の一つなのではないでしょうか。

キャッチコピーが「銀河の妖精」とまで言われる、強気な美しさと、素晴らしい歌唱力を持ったヒロインである、シェリル・ノームの歌パートを担当することになったのですから。

アニメの第1話が2007年末に先行放送された時点では、まだ歌手名はシークレットとされていました。

そして本番が開始する2008年3月(アニメは4月より放送開始)に歌手名が明かされたのです。

しかしまだこの年は、「“シェリル・ノーム”としての“May’n”」でしか活動できませんでした

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動き出した本当の自分

事実上のデビュー曲との出会い

今回取り上げる、「May’n」名義としては初めてとなるシングル曲、「キミシニタモウコトナカレ」が発売されたのは、2009年5月でした。

この楽曲は、テレビアニメ『シャングリ・ラ』のOPとして使用されましたが、実はこの名曲をプロデュースしたのは、「ポルノグラフィティ」などのプロデューサーとして有名な、本間昭光氏なのです。

May’n自身は「男らしさを表現するために、あえて歌いまわしを変えずに歌った」とコメントしていて、これもまた楽曲対する真摯な姿勢が伺える言葉のように感じますね。

アニメの背景

『シャングリ・ラ』は、池上永一氏のSF小説が原作で、その後コミカライズされ、テレビアニメとなったものです。

SF小説としては非常に高い評価を受けている作品で、アニメ化にあたっては原作とは異なる点も多く見受けられますが、難しいながらもリアルな設定のもと、考えさせられる内容です。

アニメのサウンドトラックも発売されていますが、一般的にはあまりOP曲やED曲を入れられることは少なく、さらにフルヴァージョンで入ることはもっと珍しいこと。

当然、OP曲として使用された「キミシニタモウコトナカレ」もフルヴァージョンで収録されています。

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心を揺さぶるタイトル

当時はタブーとされていた反戦詩

「キミシニタモウコトナカレ」と聞くと、学生の頃になんだか聞いたことがあるかも?と思い当たる方も多いのではないでしょうか。

いつどこで聞いたかは覚えていないけれど、なんだか初めて聞いた気がしない、というのも無理はないと思います。

何故なら、「キミシニタモウコトナカレ」は、かの有名な詩人・与謝野晶子の長詩と同じなのです。

与謝野晶子の方は「君死にたまふことなかれ」という表記になっていますが、意味としては同じで、「どうか死なないでください」というような感じ。

日清戦争の頃に招集され、新妻を残して出征して行った弟を案じて作られたと言われています。

当時の日本は軍国主義の真っ最中。しかも女性蔑視の時代でもある中で、タブーを恐れずに綴った、あらゆる意味で有名な詩だったのですね。

この言葉を用いたり、モチーフとした小説や漫画などの作品は数多くありますが、この楽曲もまた、SFながらも非常にシリアスで、考えさせられる内容のアニメに使用されるのにふさわしいものでした。