星野源「知らない」ってどんな曲?
「知らない」は2012年11月28日に発売された、星野源の4枚目のシングルです。
前作「夢の外へ」から4か月ぶりのリリースとなったこの曲。
初回限定盤はスリーブケース仕様で特典DVDが付属しており、現在高くても欲しいというファンが多いと噂の一作となっています。
「知らない」収録の4曲を曲順を逆にして聴くと...!?
1.知らない
2.ダンサー
3.季節
4.おもかげ(House ver.)
出典: 知らない/星野源
上記の通り一曲目が「知らない」、二曲目が「ダンサー」、三曲目が「季節」、四曲目が「おもかげ」なのですが、この曲順をひっくり返して聴くと、春夏秋冬と四季を順にたどるようになっているんです。
というのも、このシングルは季節が裏テーマとなっており、曲順を逆にすると、春をイメージした「おもかげ(House ver.)」、夏の曲である「季節」、そして秋が「ダンサー」、そして、冬の朝をイメージした「知らない」と四季の流れになり、実際の曲順は季節を逆流していたんですね。
そんな仕掛けがあるシングル「知らない」から、今回は表題曲であり、冬の曲である「知らない」の歌詞を解釈してみます。
星野源「知らない」歌詞解釈
もっと早く気づきたかった、灯り消えて気づく光
灯り消えて気づく光 ただ夜の中に
君が消えて見えるものも まだあるんだな
想いはずっと残ること 知っている
二度と逢えなくても
出典: https://twitter.com/gen_hoshino/status/824907374531981312
ケーキの上のろうそくを想像してみてください。
それまでちっぽけな炎に見えていたのに、部屋を暗くすると、急に小さなろうそくに部屋が照らされて、その光の大きさや明るさがわかることってありますよね。
そんな風に、「君」という存在が、二度と逢えなくなって初めて、どれほど自分にとって大きな光だったのかということに気づいたということが歌われる冒頭の歌詞。
君がいなくなって、もう何も見えない、光のない世界になってしまうと思っていたのに、皮肉なことに、真っ暗な世界でより鮮明に見えてきたのは、いかに「君」が大切な存在だったかという事実でした。
「君」と死別してしまい、もう二度と逢えなくても、残された「僕」の心に「君」への想いはずっと残ることを知っているので、自分の中に残る「君」まで消すことができなくて、生きるしかない「僕」の姿には絶望という言葉が悲しいほどに似合います。
「君」という光を失っても、「僕」の物語は続く
終わり その先に
長く長くつづく 知らない景色
さよならはまだ言わないで
物語つづく 絶望をつれて
出典: https://twitter.com/hoshigen_bot/status/925343128726290432
「僕」にとって「君」はきっといてくれて当然のような存在だったのでしょう。
そのため「君」という物語が終わった時、その先の景色は全てが未知で、自分の物語がまだ続くのに違和感さえ感じているのです。
「君」がいなくなって一度終わりを迎えた気持ちになっている「僕」にとってその先にまだ人生が続くことに対して、恐怖や不安もあるのでしょう。
しかし、冒頭の歌詞に出てきたように、「僕」が生き続ける限り、「君」という登場人物は「僕」の物語の中で生き続けるのです。
「君」がいなくなってしまった絶望を抱えたまま物語をまだ続けるから、「僕」の物語が終わるその時までは「さよなら」は言わないでと言っているのですね。
「君」との思い出も、「君」がいなくなってしまったという絶望も抱えて、懸命に生きていこうとする姿が切ないですね。
死んでしまった「君」もさびしいと思っているかな
さびしいのは生きていても
ああ 死んでいても 同じことさ
その手貸して まだ歩けるか
海からそっと朝焼ける 今日がくる
涙焦がすように
出典: https://twitter.com/gen_hoshino/status/919399926303301633