SOUL'd OUT【Flyte Tyme】歌詞を徹底解説！ステージは宇宙？無重力で見つけた答え！

SOUL’d OUTの魅力はHIP HOPでありながら様々な音楽的バックボーンを抱えていることでしょう。

ブラック・コンテンポラリー、1970年代の音楽への深い造詣が彼らを特別にしています。

そしてこのラインではロック・ミュージックへの敬愛の念が表明されているのです。

HIP HOPは今や世界中でロック・ミュージックを旧い文化へと変えてしまいました。

今では完全に音楽の中心からロック・ミュージックの姿が消えてしまったのです。

HIP HOPというものは最初こそとても大きな違和感や不快感を持って迎えられました。

しかし徐々に音楽界の覇権を握ってゆきます。

ダンス文化と結びついたことも強かったのでしょう。

ロック・ミュージックでは踊るのが困難かもしれません。

クラブ文化はテクノ/ハウスとHIP HOPなどを生み出して週末の街を彩ります。

一方でロック喫茶なんて文化は今やどこを探しても見当たらない状況です。

しかしそうした風潮の中でSOUL’d OUTは反旗を翻していたのでした。

HIP HOPでありロック・ミュージックでありと自分たちのスタイルを説明するのです。

実際はロック・ミュージックにあるアティテュードを称揚しました。

反骨精神というロック・ミュージックの核心部分を継承するのです。

そこには地上から飛び出す無鉄砲さという歌詞のメインテーマと反骨精神の交錯が見られます。

飛び出すような勢いというものを今でもロック・ミュージックに感じることはできるでしょう。

そこから学べるものは継承しようとSOUL’d OUTは努めるのです。

一方で2003年の音楽市場はまだロックが覇権を握っていたという時代背景も関係いたしました。

何にせよジャンルという垣根を超えてゆく志はアーティストにとって必須の条件なのでしょう。

SOUL’d OUTは観念的なもののまどろっこしい性質を排斥します。

まずは闇雲に動けという思想は考えるな・感じろという言葉と非常に親しいです。

そして頭で考えるのではなくて経験の中から物事を生み出してゆくという考えを大事にします。

私たちは何をするにも最初に心配をしてしまいがちです。

大江健三郎が「見るまえに跳べ」という短編小説を発表した際にはそのタイトルが青年たちを刺激しました。

1958年頃には原型があった短編小説のタイトルです。

ブルース・リーが映画「燃えよドラゴン」で「Don’t Think,Feel」というセリフを放ったのは1973年。

大江健三郎は哲学者のサルトルからの影響を多大に受けています。

そのためにブルース・リーにさかのぼること15年前にこの言葉にたどり着けました。

SOUL’d OUTは大江健三郎「見るまえに跳べ」から45年後の2003年に同じようなテーマを掲げます。

日本のカウンター・カルチャーに息衝く伝統に寄り添ってみたのです。

またSOUL’d OUTは同様に願うことにも疑義を呈します。

願うこととは自分では何も実行しないことと同義だと彼らは見做すのです。

こうして彼らは観念や思考で立ち止まることを遠ざけてゆきます。

いつの時代でもこうした言葉が若い人の心を掴むことができるのです。

このことは歳を重ねてしまうといつの時代でも人は臆病になってゆくことの証でもあります。

そのためにいつの時代であっても若者は時代を牛耳っている大人に疑問を突き付けるのです。

こうした「見るまえに跳べ」のような言葉を若者が何度も言い換えて発信してゆく姿が見られます。

これらの言葉たちに若者たちの特徴的な思想が凝縮しているのです。

私たちは永遠を生きています。

目の前の一秒がなければ永遠とはいえなくなるのです。

そのために私たちは永遠の一部であるといえます。

その時間を有意義なものに使う必要があるのは一秒であっても永遠をなすものだからです。

SOUL’d OUTはその生きるためのステージを宇宙に求めます。

クルーとともに宇宙空間へと飛び立ってしまいました。

英文は「君の過去は未来を掴むためにあった」という内容です。

宇宙空間の広大さは時間さえも飛び越えるとでもいいたげなラインでもあります。

SOUL’d OUTにとって宇宙の何にここまで惹かれたのでしょうか。

やはり私たちの囚われたままの常識や観念を解きほぐすほどに大きなステージを求めたのでしょう。

自分たちのステージは宇宙であって地上のどこかではないという超越的な考え方や憧れを背景にします。

永遠というものと触れ合う存在として宇宙を定義しているフシもあるのです。

モチーフのひとつである人工衛星というものは今やそれほど珍しいものではありません。

日本は1970年には自前で打ち上げることができました。

その後もたくさんの人工衛星を打ち上げています。

宇宙空間にとって人工衛星はあまりに卑小な存在かもしれません。

しかしその数が年々増えてゆきます。

今や人工衛星銀座のような不思議な造語もあるのです。

人工衛星は今や宇宙の中では孤独な存在ではなくなりました。

クルーとともに宇宙に飛び出す感覚を多数、打ち上げられている人工衛星に託す気持ちはよく分かるでしょう。

宇宙に飛び立って獲た智慧を披露します。

矮小な地球上での様々な虚構と罠について考える機会が獲られたのです。

これは一度地球外に飛び立つ思考実験をしないと実感し得ないものでしょう。

実際は誰もがアストロノーツになれるわけではありません。

宇宙にゆくために民間事業が様々に始まっています。

しかしそれでもアメリカ合衆国で特別なトレーニングを積んでから宇宙へゆく必要があるのです。

それならば私たちはどのようにして宇宙的・巨視的な視点を持てるでしょうか。

それは意外に簡単なことだよとSOUL’d OUTは請け負います。

彼らと同じように気付きというものが大切なのです。

発想の転換のようなものが大事なのでしょう。

いつこうした瞬間が訪れるのか。

悟りというものは待っていても一向に訪れないと思います。

主体的に宇宙へ飛んでゆく思考実験をする必要があるのです。

そうした気付きのためのヒントのために「Flyte Tyme」という楽曲が生まれました。

一度このことに気付ければどこにいてもこうした悟りのようなものは獲られるのです。

大事なことはやってみること。

そうした思い切りのようなものが自分にあるかどうかです。

この思いさえあれば誰にだってできるとSOUL’d OUTは歌っています。

真実は考えるものではなくて感じるものだとも訴えているのです。

感覚や行動など経験に由来するものこそを信じたいとSOUL’d OUTは考えています。