あれから どうしていましたか?
私も歳を取りました
今でも 昔の歌を
気づくと 口ずさんでいます
振り向けば幸せな時代でしたね

出典: あれから/作詞:秋元康 作曲:佐藤嘉風

こちらは1番のサビです。

まるで美空ひばりさんご本人が、耳を傾ける方に直接声をかけてくれているかのような言葉が並んでいます。

女王と称された歌唱力によって多くのファンの心を熱くさせたひばりさん。

おそらく天国でも数々の大ヒット曲を歌われていることでしょう。

こうした情景を思い浮かべる方は決して少なくないはずです。

亡くなられたのは1989年つまり平成元年なので、まさに昭和を生き抜いた歌手になります。

昭和は激動の時代でしたが、思い返すと幸せな日々だったと感じる方も多いでしょう。

そしてタイトルにもなっている「あれから」とは「ファンがひばりさんを失ってから」。

つまり平成の約30年間から令和にかけて、今に至るまでという話です。

そのあいだ元気で過ごしていたかどうか、ご本人が気遣ってくれています。

もちろん秋元康さんのプロディース&作詞やAI技術による再現のおかげ。

そうわかっていても天国のひばりさんから直接言葉をかけてもらったかのように嬉しくなるでしょう。

流れゆく時代をひばりさんの歌と共に感じることができますね。

2番の歌詞はこちら!

輝く星の意味

美空ひばり【あれから】歌詞の意味を徹底解説!誰に向けたメッセージ?流れゆく時代を歌と共に感じてみようの画像

いくつか 星が煌(きら)めいて
後悔さえ美しい
今日できなかった何かが
明日はできるような気がして来る

出典: あれから/作詞:秋元康 作曲:佐藤嘉風

引き続き2番の歌詞を見ていきます。

1番の時間設定は夕暮れ時でした。

2番ではさらに少し時間が経って、星の見える夜になったのでしょう。

輝く星を見て「後悔」という一般的にはネガティブな感情さえ、綺麗に昇華されると感じているようです。

この後悔というのは、1番の歌詞で表現されていた「大切な忘れ物」のことではないでしょうか。

その忘れ物は具体的に何かというと、ひばりさんにとってはやはりになると考えられます。

もっと歌い続けて、ファンの皆さんに聴いてもらいたかったという後悔の念があるのかもしれません。

その結果がこの新曲

ひばりさんが輝く星のように本当によみがえった感じがするでしょう。

これはAIのおかげです。

過去には存在しなかった技術が進化して、今は実現可能になりました。

その様子を天国のひばりさんご自身も実感されているのでは?という美しい想像に結びつきます。

背中を追いかけた母とは?

美空ひばり【あれから】歌詞の意味を徹底解説!誰に向けたメッセージ?流れゆく時代を歌と共に感じてみようの画像

長い道を歩き続けて
ようやくたどり着けそう
生まれた瞬間(とき)から
追いかけて来たのは
母のその背中

出典: あれから/作詞:秋元康 作曲:佐藤嘉風

12歳という少女時代にレコードデビューを果たしたひばりさん。

歌手の道へ導いてくれたのも、実際に傍で活動を手助けしてくれたのも、お母様の喜美枝さんだったでしょう。

この歌が皆さんに届くことによって忘れ物のような後悔から解放されるのかもしれません。

そこでようやく天国で落ち着き、お母様と再会できるというストーリーも浮かんできます。

またこの歌を聴く方にとっては、ひばりさんご本人が母のような包容力のある存在かもしれません。

この歌によってやっと広い意味での母のようになれたと解釈することもできるのではないでしょうか。

過去の歌が元になっている

美空ひばり【あれから】歌詞の意味を徹底解説!誰に向けたメッセージ?流れゆく時代を歌と共に感じてみようの画像

あれから 元気でいましたか?
随分 月日が経ちました
何度も歌った歌を
もう一度 歌いたくなります
そう誰も大切な思い出が人生

出典: あれから/作詞:秋元康 作曲:佐藤嘉風

この新曲はひとくちにAI技術によって再現されたといっても、作業は大変だったでしょう。

ひばりさんの過去の音源や映像が元になっているところがポイント。

もちろん作詞作曲および編曲はまったくの新曲です。

ところがひばりさんの歌とホログラム映像に関しては、昔のものがなければ成立しませんでした。

つまり、この楽曲にはかつてひばりさんが歌った数々の歌がたくさん盛り込まれているとも考えられるでしょう。

ひばりさんご自身にとっても、ファンの皆さんにとっても大事な思い出になっている多数の名曲です。

その歌の思い出こそがお互いに積み重ねた人生そのものという話でしょう。

メッセージは誰向け?

天国からの語り?

美空ひばり【あれから】歌詞の意味を徹底解説!誰に向けたメッセージ?流れゆく時代を歌と共に感じてみようの画像

「お久しぶりです
あなたのことを
ずっと見ていましたよ
頑張りましたね
さぁ 私の分まで
まだまだ頑張って」

出典: あれから/作詞:秋元康 作曲:佐藤嘉風

2番のサビのあとに続く語りです。

この部分もスペシャルムービーでご覧いただくことができます。

AIによる音源、ホログラム映像だとわかっていてもまるでひばりさんご自身の語りのようですね。

その内容も、作詞された秋元康さんには本当に天国のひばりさんの声が聞こえているのでは?と震えるもの。

母のような包容力のあるひばりさんなら、ファンの皆さんひとりひとりを見守ってくれている感じがします。

どんなにつらいときも頑張って生き抜いて良かったと涙を流さずにはいられないでしょう。

そしてこうやって大事な忘れ物を届けによみがえってくれたひばりさんこそ、頑張り抜いた張本人です。

そう思うと、これからも頑張って生きていこうと約束を交わしたくなるのではないでしょうか。

もちろんこのメッセージはこの歌を聴くすべての方向けですね。