【King Gnu/Prayer X】「BANANA FISH」ED曲に込めた葛藤と祈り…歌詞を解釈

心通った2人の前には、敵も味方も含めて様々な人たちが現れます。

そんな人々と時に協力しながら、時に戦いながら、「バナナフィッシュ」の謎に迫っていきました。

この謎を解き明かすためなら、どんな苦しみだって乗り越えられる。

そんなアッシュの強い決意と、それを支えようとする英二の想いがこもっているのでしょう。

特に歌詞最後の行からは、これまでのような疑いの気持ちは感じられません。

これはお互いに信じるべきものを見つけ始めた証拠。

さて、最後の歌詞解説とともに、心情変化にも迫っていきましょう。

人の温かみを知ったアッシュはこれまでなかった涙を流すようになります。

これまでいた「殺される前に殺せ」という世界から人らしい居場所を見つけて行くのです。

最初の「何を信じればいい」は絶望と虚無感に満ちていました。

でもこの最後の「何を信じればいい」は本当に素直に聞いているのではないでしょうか。

アッシュが「人を信じること」を始めようとしているのかなと思いました。

アニメという映像作品でアッシュの命が煌(きら)めく瞬間がとても楽しみです。

「Pray」は「祈り」の意味です。

なので「Prayer X」は誰かのために祈る人を示しているように感じます。

登場人物の英二やマックスだけではありません。

アッシュのために祈る、または大切な人のために祈るすべての人。

それが「Prayer X」の正体なのです。

最初にこの歌を聴いて、それからバンドの写真を見たときに「おや？」と思いました。

そこには男性ばかりが写っていたからです。

でもこの歌は切なく苦しげに響く高音がとても印象的ですよね。

てっきりヴォーカルは女性だと思っていました。

でも声の主はボーカルの井口さんだったのです。

井口さんは東京藝術大学出身で声楽を専攻していました。

CMに使われた曲「Vinyl」も井口さんが1人で30通りの声を録音したそうです。

そして偶然にもご兄弟が「BANANA FISH」を持っていて昔読んでいたとコメントもしていました。

作品を良く知っていた井口さんがED曲を歌うなんてただならぬ運命を感じます。

常田さんは今一番注目を集めているアーティストの米津玄師さんの楽曲プロデュースもしています。

4thアルバム「BOOTLEG(ブートレグ)」収録曲「爱丽丝(アリス)」がそうです。

この曲はタイトルが読めないことでも話題になりましたが、それを勝る楽曲のカッコ良さ！

アルバムには人気アニメのOP曲「ピースサイン」や菅田将暉さんとのコラボ「灰色と青」も収録。

注目度が高いアルバムに参加して常田さんの知名度もかなり上がったようです！

英二に出逢ってアッシュはこれまで知らなかったいろんな感情を味わいます。

17歳にしてストリートギャングのボスでしたから、誰かと心を通わせるなんてなかったんですよね。

英二と行動を共にするようになってからアッシュは何度も涙を見せました。

あくまで「英二の前で」という場合が多かったですが……。

ジャーナリストのマックスとも信頼関係が出来るうちに感情表現も広がって行きました。

「17歳の男の子なのにな……」原作を読んでいるとふとそう思い、また苦しくなります。

全19巻の内容を知っているとアニメでどこまでやってくれるのか気になって仕方ありません。

どのエピソードを活(い)かしてどこを諦めるのか？

そして物語はどこで終わるのか……。

もう、きっちりやってくれるなら「結末は映画で！」でもいい覚悟です。

この作品に鎮魂歌(ちんこんか)を用意してくれたKing Gnuには感謝ですね！

CMソングとして紹介した「Vinyl」のMVはなかなか過激なので閲覧注意です。King Gnuの他の楽曲MVも見られますよ！